発達障害のあるお子さまの偏食をどう考える?①偏食の実態とは
発達障害を抱えるお子さまで、偏食がある場合が多く見られます。
同じものばかり好んで食べたり、苦手なものが多く食べられるものが少なかったり、偏食に悩むケースが少なくありません。
これまで、食べ物の好き嫌いを単に子どものわがままだとして、無理矢理治そうとする傾向が強くありました。
かつて学校の給食では、苦手なものを食べ終わるまで昼休みを取らせないといった、高圧的な指導法も。
最近では発達障害の特性で偏食を生んでいる場合があるという事実が広がりつつあります。
今回は、2回にわたって発達障害と偏食との関係について考えていきましょう。
発達障害のある偏食の特徴
発達障害のお子さまの食生活で多いのは、食べられるものが極端に少ないというパターンです。
保護者が肉や魚、野菜などをバランス良く使ったメニューを考えて料理を出しても、おかずはおろか白ご飯にも手を着けません。
自分が食べられる冷蔵庫の納豆だけ、チーズだけ、といった食べ方をしてしまいます。
白ご飯やパン類などの炭水化物を避けるようになると、成長期に必要なエネルギーが大幅に不足してしまい低体重状態になる発達障害のお子さまもいます。
食べられるものがないため、骨と皮だけになってしまって、必要な筋肉や脂肪がつきません。
栄養が不足しているので、元気に活動したり、体調を維持したりするのも難しくなってしまいます。
発達障害のお子感覚過敏が偏食の大きな原因
発達障害を抱えるお子さまのなかには、視覚や味覚、臭覚など五感が敏感過ぎる場合があります。
これを「感覚過敏」といいます。
たとえば、人はおいしく食事をするとき、食べものの見た目も大切です。
盛り付けがきちんとしている料理を出された方が、乱雑なものよりおいしく食べられるからです。
しかし、発達障害のあるお子さまの一部に、食べものの見た目を極端に感じてしまう場合があります。
たとえばイチゴ。
イチゴが嫌いな人でなければ、みずみずしい赤色や表面のつぶつぶが美しいほど「おいしそう」と感じるはずです。
しかし、感覚過敏の人は「赤色が血の色のようで怖い」「つぶつぶ感が舌の表面を襲ってくるようなイメージがして気持ち悪い」といったネガティブな感覚で捉えてしまうのです。
こうした、感覚過敏の方の感じる見た目やにおい、味の感じは、なかなか他人が理解することはできません。
そのため、我慢して食べるか食べないか、好きか嫌いか、といった問題ではなく、生理的に受け付けないといったレベルの問題になってきます。
偏食のあるお子さまもNew Step大阪で楽しく食事
このように、発達障害のあるお子さまの偏食は「わがまま」や「好き嫌い」で片付けられるものではありません。
吹田の放デイ・New Step大阪に通う子どもたちの中にも、本人自身、仮に食べたくても感覚が過敏なため食べられない、といった辛い思いをしている人がいます。
かつての常識のように「偏食=ダメなこと」という先入観を一度横に置いてみることが大切です。
次回の2回目では、発達障害のあるお子さまの偏食を改善する工夫についてご紹介します。
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