発達障害のあるお子さまの偏食をどうする?②偏食改善の工夫
発達障害のあるお子さまの中には偏食で同じものばかり好んで食べたり、食べられるものが少なかったり、といった子が少なくありません。
偏食が続くと、成長期に大切な栄養のバランスが乱れて、健康や発育に大きく影を落としてしまいます。
前回は発達障害を抱えるお子さまの偏食の特徴や原因についてご紹介しました。
そこで今回は、偏食を改善する工夫や対策について考えていきます。
偏食改善に力を入れる発達支援施設
最近、発達障害のお子さまが通う施設のうち、給食のある発達支援施設で偏食改善に力を入れているケースが少しずつ出てきました。
施設側はまず保護者から、偏食のある発達障害のお子さまの日頃の食事の傾向をヒアリングします。
そして、その子の偏食の特徴に合わせて調理法を工夫して食べやすくして提供します。
たとえば、コロッケの表面の衣のチクチク感が苦手なお子さまがいたとしましょう。
保護者の方やお子さまから直接苦手な食感の食べものを聞き取りしたら、給食でのコロッケの出し方を工夫できます。
揚げたては避けて、できるだけ時間を置いて衣が柔らかくなってから提供したり、衣そのものがチクチク感を連想して食べられないお子さまには、中身だけを取り出してお皿に盛り付けたりします。
偏食のポイントと工夫例
ここからは、具体的に偏食をもつお子さまがどのように感じて食べられないのか、その改善する工夫は何かをご紹介します。
・食感の硬さ/柔らかさ
固い食感なら食べられるお子さまには、トーストならカリカリに焼く、コロッケならしっかり揚げるなどして、硬めに仕上げます。
一方で、柔らかめを好むお子さまには、焼きすぎや揚げすぎに気をつける、調理時の水分を多めにするといった工夫が考えられます。
・見た目の色
イチゴの色が苦手なお子さまには、ミルクをたっぷり使ったイチゴミルクにすると、赤色が目立ちづらくなって食べられる場合があります。
また、食材の皮はできるだけ覗いて、中身だけにすると食べられることも。
・食べられる食材
お子さまの中には、ニンジンは食べられるけれどサツマイモは食べられないというケースもあります。
本人の中で「ニンジンは食べものだが、サツマイモは食べものではない」という認識になってしまっているからです。
こんなとき、根菜類というカテゴリでイラストを作ります。
ニンジンもサツマイモもダイコンも、同じ畑で取れる野菜であることを伝えると、先入観が薄くなって食べやすくなることがあります。
食べる楽しさを伝える放デイ・New Step大阪
吹田の放課後等デイサービス・New Step大阪では、オープン当初からみんなで食事を取る楽しさや大切さを伝えています。
教室で食事やおやつを食べるときはもちろんのこと、調理実習では自分たちが食べる食事を調理から片付けまでおこなっています。
偏食についても、食事を通してどんな食べものがあるかに触れたり、食べ方を工夫するポイントを伝えたりするなど、日頃から食の大切さを発達障害のお子さまに指導しています。
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