発達障がいのこどもと送迎|親御さんの負担を軽くするために①
発達障がいを抱えるこどもを持つ親御さんにとって、学校や病院などさまざまな場所への送迎が必要です。
こどもによっては、バスや電車など公共交通機関を使ってひとりで安全に行動するのが難しい子も少なくないので、大きくなってからも保護者の方がずっと付き添っている光景を見かけます。
とくに、学校への通学は毎日のことなので、親御さんの苦労も大変なもの。
自宅から小中学校や高校、支援学校や療育施設など、送迎に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
そこでここでは、発達障がいのこどもと送迎について3回に分けてご紹介します。
どのような場面で送迎が必要になるのか、また、送迎をもっと楽にして親御さんの負担を軽くできる方法はないか、など、いくつかのポイントから見ていきましょう。
重度発達障がいのこどもを持つAさんの場合
Aさんの息子さんは重度の発達障がいを抱えていました。
小学校、中学校そして高校もこどもさんひとりだけで通学するのが難しかったため、小学校に入学すると徒歩10分の近所の小学校まで毎日、朝と午後に送り迎えするようになります。
学校の送り迎えが何年も続く
Aさんは大阪市内在住で、息子さんは地域の小学校の一般学級と支援学級の両方に入っていました。
朝の会や終わりの会など学活を中心にした時間は支援学級で、その他の授業は成長に合わせて一般学級に入って学習していました。
学年が上がるにつれて、朝の送迎時間は変わりませんが、午後の送り迎えは少しずつ遅くなっていきます。
Aさんは息子さんが通学している間に家事を済ませたり、用事をしたり。
それでも、小学校高学年や中学校になっても土日祝をはじめ夏休みや春休みなどの長期休暇以外はずっと送迎を続けました。
雨の日も風の日も、体調が悪くても
「体調が悪かったり、雨や風、寒い日は大変でしたね」とAさんは当時の送迎の大変さを語ります。
「夫は早朝に仕事に出かけて、夜遅いですし、送迎できるのは私しかいませんから。
何があっても平日は学校を往復しなければならないので、時間に追われる部分はありました。
しかし、おかげでずいぶんからだが鍛えられたように思います」
そう笑いながらお話ししてくれました。
放デイを利用してから送迎の負担が軽くなった
「ただ、小学校の途中から、放デイ(放課後等デイサービス)に通うことになりました。
発達支援のこどもたちが放課後を過ごして体操したり、友だちと遊んだりする場所で、学校からその施設まで、そして放デイが終わったら自宅までバスで送迎があったので、助かりましたね。
放デイは息子が高校を卒業するまで引っ越しなどに合わせて何カ所か利用しました」
まとめ|発達障がいのこどもと送迎|親御さんの負担を軽くするために①
1回目は、発達障がいの息子さんをお持ちのAさんの体験談を中心に、実際の送迎の様子や親御さんの大変さをご紹介しました。
重度の発達障がいを抱えるこどもの場合、成人になってもひとりでの外出が困難で、保護者が付き添わなければならないケースをよく耳にします。
通学や通所などの送迎サービスを活用しながら、安全に送り迎えをする工夫が大切です。
次回は、障がいのあるこどもの送迎で、行政の対応が問題となったケースをご紹介します。
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