発達障がいのこどもは内弁慶になりやすい!?こどもの内弁慶で悩んだら
「自閉症やアスペルガー症候群のこどもは内弁慶になりやすい」
「発達障がいをもっていると、家庭でも学校でも内弁慶のこどもが多い」
そんなことを聞いたことはありませんか。発達段階において、こどもが内弁慶になる時期があるため、障がいの有無にかかわらず内弁慶で悩んでいる親御さんは少なくないでしょう。
こどもが内弁慶の生活で成長すると、親御さんとしては将来、集団生活や社会生活でよくない影響があるのではないかと、心配するのもよくわかります。
そこで今回は、発達障がいのあるこどもの内弁慶の問題について考えていきます。子育てで大変なシーンも多く訪れる内弁慶のこどもの特徴や子育ての注意点などについてまとめてご紹介します。
内弁慶のこどもの特徴
ADHD(注意欠陥多動性障がい)やASD(自閉症スペクトラム症)と診断された発達障がいのあるこどものうち、内弁慶に育つケースがあります。
こどもの内弁慶は、2歳ぐらいまで親や家族に囲まれて過ごしていたこどもが、保育園や公園、外出先で同じ世代のこどもたちやまったく知らない大人たちとの関わりが増えることから現れるのが特徴です。
幼児期の場合、家ではわんぱくで元気が良すぎるほど活発に動いていて、自分の言いたいことをしっかり主張できているのにも関わらず、家から一歩外に出た途端、周囲の状況に影響されて大人しくなったり、自分がしたい行動ができなくうずうずしてしまう、といったパターンがよく見られます。
また、小学校入学あたりから、成長とともに学校や放課後等デイサービスなどでは大人やお友だちの様子をうかがいながら静かに内気な感じで過ごしている一方で、家では屁理屈や暴言、自己主張が強くて思い通りにならないとかんしゃくを起こすこどもも現れ始めます。
発達障がいのあるこどもで内弁慶に育つと、一般のこどもに比べて内弁慶っぷりが際立つという話を耳にします。発達障がいのあるこどもと定型発達のこどものきょうだいで子育てしている親御さんのなかには、発達障がいをもつ子どものほうが数倍も内弁慶のレベルが強くなると感じることもあるようです。
こどもが内弁慶になってしまう理由
なぜ発達障がいのあるこどもで内弁慶が強く出る場合があるのでしょうか。
もともとADHD(注意欠陥多動性障がい)やASD(自閉症スペクトラム症)といった発達障がいの特性に、内弁慶につながる特徴があるからと考えられます。
たとえば、ASDと診断されたこどもの多くは、環境の変化が苦手で同じ空間やマイルールにこだわる傾向があります。また、小さい頃からできることとできないことがはっきりしていて、できなくことに対する苦手意識から自信が育たないまま成長してしまって、同じ世代のこどもたちの中に入ったときに積極的になれないことが少なくありません。
そこで、まず、発達障がいの種類による特性を簡単にご紹介します。
ASD(自閉症スペクトラム症)
・コミュニケーションが苦手
・対人関係を築いたり維持するのが困難
・興味が偏っている
・同じ行動を繰り返ししたがる
・感覚が過敏または鈍感
ADHD(注意欠陥多動性障がい)
・集中力が維持できない「不注意」
・じっとしていられない「多動性」
・突発的に行動してしまう「衝動性」
LD(学習障害)
・聞く・話す・読み書きや計算といった基礎学力に関わる能力が困難
とくにASDと診断されたこどもややその傾向をもつこどもは、集団生活が苦手で周りの同級生となじめないことが多くあります。言葉の遅れやコミュニケーションスキルが乏しいため、人間関係で積極的になれない、同じ環境や見通しの付いた場面では落ち着いている一方で、急な状況変化が苦手、といった特性もあります。
したがって、安心できる家庭では自分の好きなようにのびのびと過ごせるものの、外では発達障がいの特徴であるコミュニケーションの困難さだったり、好きなことにしか興味を示さなかったりして、「借りてきた猫」のような状態になってしまうのです。
内弁慶のこどもの特徴
ここでもう一度、内弁慶のこどもの特徴をまとめておきましょう。
内弁慶のこどもの特徴①環境の変化が苦手でなじめない
こどもは大人以上に、急激な環境の変化にさらされています。それまでずっと家庭で過ごしていた状況から、急に保育園や幼稚園、学校に通うようになれば、さまざまなこどもや大人と一緒に過ごす集団生活が始まるからです。クラス替えや転校なども、こどもにとっては一大事。とくに発達障がいのあるこどもは環境の変化に順応するまでに時間がかかったり、なかなかなじめず孤立してしまったりするケースも少なくありません。
内弁慶のこどもであればあるほど、新しい環境になじめない状態にイライラして、家庭での内弁慶のレベルがエスカレートしていく、といった可能性も高まります。
内弁慶のこどもの特徴②自信がついていない
発達障がいのあるこどものなかには、本人は一生懸命頑張っていても、学校の成績が伸びない、周囲から叱られる重なる、といった負のスパイラルによって、自信をなくすケースが多く見られます。
ASD(自閉症スペクトラム症)の症状そのものは、こだわりが強かったり、人とのコミュニケーションが苦手であるといった、人それぞれの特性から人間関係をうまく築けない、周囲と孤立しやすいといった一次的な問題に悩まされます。
こうした一次的な問題をそのままにしておくと、周囲のおとなやこどもたちの無理解から仲間はずれにされる、からかわれてイジメの対象になる、先生から必要以上に叱られる、といったネガティブな体験が重なって、自信を育てる機会がないまま成長してしまうのです。
自信を失うほか、さまざまな身体症状や精神症状から内弁慶や暴言や暴力につながる二次的な問題を抱えるケースが少なくありません。
内弁慶のこどもの特徴③積極的な行動ができない
自信がついていないまま集団生活がはじまるため、人間関係でささいな喧嘩やトラブルが起こると、引っ込み思案になる、行動に慎重になる、といったマイナスの傾向が強まります。
過去の嫌な思い出をありありと再体験してしまうこどもも多く、「あんな経験は繰り返したくない」という思いが強くなって行動が積極的になれないのです。
外では本音が話せず、思うように行動できない反動から、家庭では内弁慶でストレスを発散するような言動をしてしまいます。
内弁慶のこどもに接するポイント
それでは内弁慶のこどもがどんなシーンでも本人らしく過ごせるには、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。その対処法を一緒に考えていきましょう。
ポイント①こどもが自信をつける体験を与える
家庭での遊びや学習で、ちょっとした成功体験を積み重ねられるような機会を与えましょう。
発達障がいのあるこどもで内弁慶な正確の場合、極端に自信がない場合が多く見られます。日常的なゲームや遊びを通して「自分はできる」「やれば成功できる」といった自信が身につく経験を繰り返せば、少しずつ気持ちが積極的に向いていくはずです。
ポイント②親の愛情をしっかりと示す
学校に入学して集団生活がはじまると、さまざまな子ども同士のトラベルが増えていきます。もし、学校でお友だち関係で悩んでいる様子だったら、積極的に関わって、一緒に考えてあげましょう。
お友だちとのトラブルの話にじっくりと耳を傾けて、原因や解決法をサポートしていきます。
また、集団生活や学習面での悩みごとがあれば、早い段階でフォローしておきましょう。
ポイント③学校以外の活動の場を作る
小学校に入学すると、親子の時間が減っていくほか、学校生活が中心の生活になります。発達障がいのあるこどもにとって、集団生活や複雑な人間関係をともなう学校の場は自信を失ったり、コミュニケーションが上手くとれなかったりなど、プライドが傷つく場面も少なくありません。
そこで、平日の放課後や休日には学校以外の活動の場を積極的に見つけていきましょう。こどもに合った習い事や遊び、親子でイベントやボランティアに参加するなど、こどもの自信を育む機会を多く作り出すようにしてください。
とくに学校が終わってから発達障害のあるこどもたちが通う放課後等デイサービスは、発達支援の専門スタッフが積極的に関わってこども一人ひとりの個性や特性、発達段階に応じたサポートをしています。放デイと呼ばれて親しまれている場で、スタッフと一緒にこどもたちが遊びや運動をする、宿題や勉強のサポートを受けるなどしながら放課後を有意義に過ごしています。
なかでも、ソーシャルスキルトレーニングや運動療育に力を入れている放デイなら、日常生活で必要な生活スキルを身につける絶好のチャンスにもなるので、おすすめです。
まとめ:発達障がいのこどもは内弁慶になりやすい!?こどもの内弁慶で悩んだら
内弁慶であることは決して悪いことではありません。ただし、学校や社会に出たとき心配なレベルであれば、こどものプラスになるようなサポートが必要になります。
そこで、吹田にあるNew Step大阪のような放課後等デイサービスを活用してみてはいかがでしょうか。New Step大阪には、茨木や高槻周辺からも毎日元気に発達障がいをもつこどもたちが通っています。
放課後等デイサービスなどの発達支援のサービスをうまく活用して、こどものコミュニケーションスキルやソーシャルスキルを育む機会を与えてあげましょう。
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