発達障がいのこどもの特徴とは?日常生活で生きづらさを感じているこどもたちのサインを知ろう①
「発達障がい」という言葉をときどき耳にするようになりました。
テレビニュースなどで「大人の発達障がい」が特集されて紹介されるようになってから、日常的に生きづらさを感じている大人の問題としてスポットが当てられる傾向が強まっています。勉強や仕事、家庭の問題まで「発達障がい」をキーワードにして対処法を紹介するケースも増えました。
かつて「発達障がい」は発達段階で日常生活に問題を抱えるこどもに対して使われていました。こどもは成長とともに心身機能が発達しながら大きくなっていきます。しかし、発達障がいを抱えるこどもは、とくに幼児期や学童期に日常生活で支障をきたすことが多くなるのが特徴です。
「保育園や学校などの集団生活になじめない」
「コミュニケーションが苦手でお友だちができない」
「勉強が困難で、学校の学習についていけない」
こどもによって発達障がいの現れ方はさまざまですが、障害の種類はいくつかに分かれています。
今回の記事では、発達障がいのあるこどもを取り巻く状況や障害の種類、その特徴などを2回に分けて幅広くご紹介します。
発達障がいとは
発達障がいは生まれつき脳の働きに偏りがある状態です。先天的なもので、現在では「障がい」というより「特性」として扱われるようになっています。
発達障がいの主な種類は次の3つです。
1.自閉症スペクトラム症
2.ADHD(注意欠陥・多動性障がい)
3.LD(学習障がい)
以前、発達障がいを代表する種類だった「自閉症」は、自閉症スペクトラム症の中に含められています。また、この3つのほかにも、チック症や吃音なども発達障がいに当てははまります。
ちなみに、発達障がいは1種類だけ現れる場合もあれば、こどもによって2種類、3種類と合わさって持っている場合も少なくありません。
それぞれの発達障がいの特徴
ここからは、発達障がいの特徴を種類別で簡単に確認しておきましょう。
1.自閉症スペクトラム症
コミュニケーションが苦手、こだわりが強い、といった特徴が現れます。
▼乳幼児期〜
・視線が合わない
・指さしをしない
・微笑み返しがない
・後追いしない
・周囲の大人やこどもに関心がない
・言葉の発達が遅い
・こだわりが強い
▼保育園・幼稚園〜
・ひとり遊びが多い
・お友だちと一緒に遊ぶのが苦手
・突然かんしゃくをおこす
・いきなりお友だちを叩く
・自分の好きなことばかりを繰り返しする
・マイルールへのこだわりが強く、急な予定変更や環境変化が苦手
・新しい環境になじみづらい
・偏食が強い
・感覚が鋭敏/鈍感
言葉のやりとりをはじめ、アイコンタクトや表情、ボディランゲージなどさまざまなコミュニケーションスキルが伸びづらいため、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを察知したりするのが困難なこどもに成長します。
また、ひとつの物事に強く執着してしまいます。気になり始まるとそのことばかりを繰り返し行動する、自分だけのルールにしたがって物事を進めないと気が済まない、など、周囲から「わがまま」「自分勝手」だと勘違いされる場合も多く見られます。
具体的には、次のような特徴が症状のサインになります。
2.ADHD(注意欠陥・多動性障がい)
ADHDの特徴は次の3つです。
1)多動性:落ち着きがない、じっとしていられない
2)衝動性:突発的に行動してしまう
3)不注意:注意力が続かない、ミスが多い
落ち着きがなく、じっと座っているのが苦手なこどもは珍しくありません。しかし、学校での集団生活に支障をきたすほど落ち着きがなく教室を歩き回ったり、静かに自習や遊ぶのができなかったり、する場合、ADHDの可能性があります。順番を待てない、空気が読めないため急にお友だちの会話や遊びに割り込んでしまう、なども、多動性や衝動性の現れです。
また、宿題を忘れる、学校の勉強に集中できない、コミュニケーションを取ろうとしても上の空の顔をする、最後まで完成できない、計画性がない、整理整頓や掃除が苦手、など、社会生活に影響を及ぼすほどの注意力のなさが特徴です。
3.LD(学習障がい)
読む、書く、計算するなどの基礎学力で困難さが見られる発達障がいです。
知的障がいは見られないのがポイントで、飛ばし読みをする、漢字が覚えられない、簡単な算数ができない、など学校の勉強についていけなくなるほか、日常生活の基本的な読み書きや計算に影響が生じます。
まとめ:発達障がいのこどもの特徴とは?日常生活で生きづらさを感じているこどもたちのサインを知ろう①
発達障がいを抱えるこどもたちは、障がいの種類によってさまざまな特徴が現れます。代表的な種類だけでも自閉症スペクトラム症、ADHD、LDの3つがあり、それぞれ特徴が異なるほか、併せ持って生まれるこどもも少なくありません。
発達障がいは発達段階における脳の働きの偏りが原因といわれています。障がいごとに異なる特性を知っておくことは、こどもの接し方や今後を考えるうえで、とても大切なことです。
では、成長とともにどのような症状が現れるのでしょうか。そこで次回の2回目の記事では、発達障がいの特徴を年齢別にご紹介します。
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