発達障がいのあるこどもの遊びとは?発達段階で変化する遊びの種類(1)
発達障がいのあるこどもたちの成長にとって、日頃の遊びは欠かせないものです。こどもは遊びを通して、感覚や運動機能を育んだり、感情や理性を学んだり、人間関係の基本を身につけたりしていきます。
発達障がいのあるこどもは、その特性のため、親御さんやお友だちとうまく遊ぶのが難しいケースが少なくありません。同じ遊びをずっとやっていたり、自分だけのこだわりやルールがあったり、一緒に遊ぶのは大変という親御さんは多いはずです。
それでは、発達障がいのあるお子さんはどのような遊びをしているのでしょうか。また、発達段階に応じて変わっていく遊びの種類とはどういったものなのでしょう。
そこで今回は2回に分けて、発達障がいのあるこどもの遊びについて解説します。
幼児期の発達段階を知ることが大切
こどもの脳は、日常生活の遊びによって成長が促進されます。とくに幼児期の脳は、身の回りので起きることすべてが学習対象になっているといって言い過ぎではないでしょう。見る物、触る物すべてが新鮮で、遊びの中で、飛躍的に脳が成長していくからです。
ただし、脳の成長のためには、タイミングを捉えたサポートが大切です。脳の発達には、3つの段階があって、それぞれ成長が加速する部位が異なるからです。
まず、0歳から12歳ぐらいの時期は、感覚の情報を受け取って脳が育つ時期です。主に感覚や感性を司る右脳が発達する時期で、感情豊かな体験によって情操教育が重要となります。
やがて、言葉の情報を受け取って左脳が育つ時期、自分で考えて行動へとつなげる力が育つ前頭葉が発達する時期へとゆるやかに移り変わっていくのです。
バランスのよい脳に育つためには、ベースとなる感覚を育てる幼児期は非常に大切です。
どんな遊びをさせればいいのかはこどもが見つける
脳の発達段階に合わせて、こどもは興味や関心がどんどん広がっていきます。脳を育てるためにはどのような遊びをさせればいいのかと悩んでいる親御さんも少なくありませんが、自然にこどもは遊びを見つけていって、その時期に必要な遊びに夢中になることが大半です。
たとえば、水遊びにずっと熱中している時期なら、水を通して皮膚の感覚を感じているんだな、育っているだなと、わかります。そのうえで、もっと感覚的な遊びを取り入れるにはどうすればいいのだろうと考えていくと、こどもの今のタイミングにマッチした遊びを見つけることができるでしょう。
こどものタイミングに合った遊びを探してみよう
こどもがいま好きな遊びを観察して、もっとバリエーションが増やせないかといった視点から色々な遊びを取り入れてみましょう。
例えば、水遊びが好きなこどもなら、触覚を育てたい時期なのだとわかります。そのため、水遊びから広げて、砂場で遊ぶ、川遊びをする、動物と触れ合ってみる、植物を育ててみる、砂浜や芝生で遊んでみる、といったように、遊び方を増やしていくと、触覚の刺激がもっと豊かになるのです。
日常生活で物足りないときは、夏休みなどを利用して旅行や外出をして、自然と触れ合うまとまった時間を過ごさせるのもおすすめです。
また、ブランコが好きなこどもの場合は、バランス感覚を身につけたい時期だと考えられます。同じような遊びを思い出していくと、トランポリンやアスレチックランドで遊ぶ、すべり台に連れて行く、フェリーやカヌーなど船で水上に浮かぶ感覚を楽しませる、といった遊びの工夫ができるでしょう。
まとめ:発達障がいのあるこどもの遊びとは?発達段階で変化する遊びの種類(1)
発達障がいのあるこどもの遊びは、お子さんが遊んでいる種類に合わせて、バリエーションを増やしていくことがポイントです。もっと色々な刺激を与えてあげると、感覚が豊かになって、成長を促進できます。
次の記事では、発達障がいのためにお友だちとうまく遊べない場合、どのように対応すれば良いのかについて考えていきます。
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