発達障害のこどもの伸ばし方とは?個性や得意を伸ばすためのポイント(2)
発達障がいのあるこどもはどのように個性や得意を伸ばしていけばよいのでしょうか。「コミュニケーションが苦手」「社会性で困難さがある」など、発達障がいの特性は日常生活や社会生活で生きづらさを抱える課題となってきました。
しかし、発達障がいの特性を裏返して見れば、一人ひとりのなかにある才能や個性として大きな花を開く可能性を持っています。
そこで2回目の記事では、こどもの伸ばし方について具体的に紹介していきます。
リフレーミングで弱みを強みとして捉え直す
ひとつの物事を、別の角度から見直して新たな価値を見いだす作業をリフレーミングといいます。とくに、本人は苦手なことやコンプレックスと思い込んでいる特性を、ポジティブな言葉に変えていくプロセスです。
例えば、自分は「衝動的に行動してしまう」ことをマイナスと捉えていたとします。その場合、プラスの表現を探していくことで、弱みとしか思えなかった特徴は、実は強みでもあることが理解できるのです。
マイナスの表現
「衝動的に行動してしまう」
プラスの表現
「思いついたらすぐに行動する」
「冒険心が強い」
とくに日本では、積極性をあまり評価せず、できるだけ大人しく静かに過ごすことを良しとする風潮があります。自分の意思を明確に持って行動したり、物事を率先してリードしたりするよりも、その場の空気を読み取って、目立たないように、協調性を乱さないようにする傾向が強いのは事実でしょう。
そのため、リフレーミングで弱みを強みとして捉え直した上で大切なことは、家庭や学校といったこどもたちが日常を過ごす生活の場で個性を理解して評価できる環境を作り出せるかが鍵を握ります。
たとえば、学習障がい(LD)で読字障がいや書字障がいがあって書かれていることをそのまま発表するのは苦手、といったこどもさんがいます。そんなときは、その場で話す内容を考えながらみんなの前で発表するといった方法も取れるはずです。
学校によって読み書きではなく口頭での発表をどうやって評価するかは難しいところですが、合理的配慮を進める点でも、学校だけでなく家庭や職場でも苦手なことを克服するのではなく、できることや得意なことでカバーしていくサポートが求められています。
個性や得意を伸ばす方法は時代の変化に合わせることが大切
学校で教える内容は、時代とともにどんどん変化してきました。小学校のプログラミングや英語の必須化をはじめ、学習ツールもノートや鉛筆、紙を使ったアナログなものから、パソコンやタブレットなどデジタルのものも増えていて、選択肢が広がっています。
そのため、一つのアプローチにこだわることなく、こどもの特性に合わせたツールを選んで伸ばしていく意識が非常に大切だといえるでしょう。
こどもの行動を否定せずほめること
こどもの伸ばし方でもうひとつ大切なことは、こどもをほめることです。親から見ればイタズラや問題行動にも、発達障がいのあるこどもたちの心にはしっかりした理由があります。
頭ごなしに否定するのではなく、うまくできたことはしっかりとほめる、もし家庭生活や社会生活で支障がある行動をしてしまった場合は、理由を説明しながら丁寧にフォローするようにしましょう。
言葉だけで説明するのではなく、言葉の発達の遅れがあるこどもには絵や写真を用いたカードや、タブレットを使って教えるといった工夫も必要です。
まとめ:発達障害のこどもの伸ばし方とは?個性や得意を伸ばすためのポイント(2)
発達障がいのあるこどもを伸ばすには、障がいの特性の強みと弱みを把握して、ポジティブに変換できないかと考えるところからはじめましょう。また、時代の変化に応じて、できないこと、苦手なことと得意なことは移り変わっています。これまでの教育方法では苦手なことでも、最新のツールを使えば個性を発揮できるかもしれません。
こどもの個性や得意を伸ばすきっかけは、放課後等デイサービス(放デイ)でスタッフやお友だちとの関わりながら見つけることもできます。
柔軟な姿勢でこどもたちと接することで、個性や得意を引き出して持って生まれた才能を開花させるサポートにつなげていきましょう。
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