発達障がいのある子どもの習い事を選ぶポイントは?習い事のメリットやおすすめの種類①
発達障がいのあるこどもたちには、どのような習い事が心身の成長のためにプラスになるのでしょうか。習い事を通してさまざまな体験をしていくと、発達障がいの特性である得意・不得意の偏りを減らせたり、成功体験で自信を身につけたりすることができます。
また、習い事に通ううちに先生や生徒さんとの触れ合いを通して社会性を身につける、思わぬ才能を発見して伸ばしていけるといった効果も期待できます。
そこで今回は2回に分けて、発達障がいのあるこどもの習い事について見ていきましょう。まず今回は、習い事のメリットや選び方について考えていきます。
習い事で得られる3つのメリット
まず、習い事を通してこどもや親御さんが感じられるメリットについて以下の5つ考えてみます。
メリットその1 得意なことや才能を伸ばせる
メリットその2 学校や家庭以外の居場所が見つかる
メリットその3 お友だちができる
メリットその4 親御さんの時間が増える
メリットその5 親子のコミュニケーションが増える
では一つずつ見ていきましょう。
メリットその1 得意なことや才能を伸ばせる
習い事は、学校や家庭では難しい専門的な趣味や特技を身につけることができます。プロの先生による指導のもと、体系的で専門性の高いアプローチが受けられるので、効率よくお子さんの才能を十分に引き出してくれるでしょう。
習い事の先生はたくさんのこどもたちを見て来ていますので、お子さんの得意なことや才能を引き出すことが得意です。こどもひとりだけや家族で取り組みよりも、思わぬ能力を発揮する可能性があります。また、褒めるポイントを知っている、注意点を伝えるスキルが高い先生に習うことで、こどものやる気を伸ばしたり、成功体験を重ねて自信を身につけたりするメリットもあります。
メリットその2 学校や家庭以外の居場所が見つかる
学校や家庭が生活の中心だったこどもたちが、習い事の教室という新しい居場所ができます。そのため、それまで知らなかった世界を新鮮に体験する機会を与えられるでしょう。
運動系の習い事であれば、体力がつくので学校生活や家族のイベントでも元気に過ごせるようになります。また、趣味系の習い事でスキルを身につけると、ストレス解消やモチベーションを高めることも可能です。
メリットその3 お友だちができる
習い事にはたくさんの生徒さんが集まります。こどもたちが自然に仲良くなって、新しいお友だちとの出会いも待っているでしょう。
学校や家庭とはちがった年齢や環境のこどもたち同士で仲間ができれば、お子さんの成長に大いにプラスになるはずです。なかには、習い事の時間以外で遊びに行くくらい仲の良いお友だちもできるかもしれません。
メリットその4 親御さんの時間が増える
お子さんが習い事をしている間、親御さんは子育ての休憩ができます。慣れるまでは一緒に付き添って同じ空間で見守らなければいけないかもしれません。しかし、お子さんが慣れてくれば、習い事をしている数時間、先生に任せて家事や用事を済ませたり、自分の時間を持ったりすることも可能です。
メリットその5 親子のコミュニケーションが増える
習い事を通して学校や家庭以外の話題が増えるので、お子さんとの会話も弾むようになるでしょう。その日習い事でやったことをお子さんが一生懸命話してくれるかもしれません。また、習い事によっては親子で一緒に練習に取り組むこともできます。
親子の時間が増えることで、自然に会話が生まれてコミュニケーションを深められます。
習い事の選び方で知っておきたいポイント
それでは、発達障がいのあるこどもに合った習い事をさせたいとき、どのような選び方をすればよいのでしょうか。
学校とちがって、習い事は種類も教室もたくさんあります。そのため、もし合わなかった場合でも他のところに行けばいいと思って安易に選んでしまうと、こどもに習い事はつまらない、思うようにできないから行きたくない、といったマイナスの感情を植え付けてしまいかねません。
発達障がいのあるこどもたちは、障がいの特性によって過去にあったネガティブな思い出をずっと引きずっていて、同じようなことがあるとできるだけ避けようとする気持ちが働く場合が多く見られます。したがって、習い事を選ぶときはお子さんの発達障がいの特性や個性、性格と習い事の種類や先生、教室とのマッチングを慎重に考えることが大切です。
具体的な選び方のポイントは次の3つあります。
選び方のポイントその1 お子さんが興味を示す習い事か
選び方のポイントその2 お子さんの発達障がいの特性や性格にマッチしているか
選び方のポイントその3 発達障がいに理解がある先生か
では一つずつ見ていきましょう。
選び方のポイントその1 お子さんが興味を示す習い事か
一番大切なことは、お子さんが試そうとしている習い事の運動や趣味に興味があることです。発達障がいのあるこどもたちは、興味や関心の偏りが大きく、自分が興味のあることはとことん熱中する反面、興味がないとすぐに飽きたり、嫌がったりします。
体を動かすのが苦手なお子さんを本格的な運動系の教室に入れたり、絵に自信がないお子さんが絵画教室ならどうだろうと、成長のためという親の気持ちを優先してしまうと、うまくいかない場合が少なくありません。
普段の生活でお子さんが興味を示していたり、楽しそうに取り組んでいることから習い事を選ぶことがポイントです。
選び方のポイントその2 お子さんの発達障がいの特性や性格にマッチしているか
発達障がいによって物事への取り組み方や気持ちにはさまざまなタイプがあります。また、その子の性格も考えなければなりません。体を動かすのが好きなお子さんがじっと作業をする文化系の習い事は合わないかもしれません。一方で、一人で黙々と作業をするのを好むお子さんに、他の生徒さんと集団でおこなう習い事をさせるのは考え物です。
また、お子さんの年齢や発達によってもフィットする習い事は変わってくるでしょう。
選び方のポイントその3 発達障がいに理解がある先生か
発達障がいのあるこどもを専門に受け入れている場合は心配ありませんが、発達障がいの特性がよくわからない、指導の経験があまりない先生だと、うまくサポートしながら指導が受けられない可能性があります。先生の態度や言葉づかいによって、お子さんにフラストレーションが溜まって習い事自体が嫌になることもあるでしょう。
発達障がいのある特性がわからないと、「怠けている」「態度が悪い」と捉えて厳しく指導してしまう先生もいるからです。
習い事を選ぶときには、まず発達障がいのあることを先生に伝えましょう。発達障がいのあるこどもの指導をしたことがあるか、受け入れが可能な場合でもお子さんの特性や性格、指導を通して注意してもらいたいことを事前に伝えたり、定期的に先生と話し合ってうまくサポートしてもらえているか確認したりすることが大切です。
まとめ:発達障がいのある子どもの習い事を選ぶポイントは?習い事のメリットやおすすめの種類①
お子さんの才能や得意を伸ばして、世界を広げるチャンスがある習い事。さまざまタイプの習い事からお子さんに合ったものを選ぶことが大切です。発達障がいの特性や性格をベースに、お子さんが興味を示す習い事からお試ししてください。
次の記事では、発達障害のあるこどもにおすすめの習い事をいくつか紹介します。
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