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2022-12-09

発達障がいのこどもへの配慮で知っておきたいポイントとは?発達支援と合理的配慮 その2

最近、学校では国が目指す「合理的配慮」にあふれる社会を目指した教育に力を注ぐようになりました。

自閉症スペクトラム障がいやADHD、学習障がいといった発達障がいのあるこどもたちは、日常生活のレベルからさまざまな生きづらさを持っています。

集中力が乏しく勉強ができない
喜怒哀楽が激しくて感情のコントロールが苦手
読み書きでつまづいて同年齢に比べて学習が遅れがち

こうしたADHDやLDの特性によって、学校生活はよりハードルが高くなってしまうのです。

そこで2回目のこの記事では、学校の現場で取り組みが進んでいる「合理的配慮」の例をいくつか紹介します。

学校生活と合理的配慮

集団生活による学校での時間は、発達障がいのあるこどもたちにとってさまざまな困りごとに出会う場です。

そのため、学校単位で障がいの有無を問わず、こども一人ひとりの特性に配慮した教育が求められています。

授業や試験はもちろんのこと、さまざまな学校行事、給食やトイレの使い方、クラスメイトとの人間関係など、トラブルや悩みごとは尽きません。

とくにADHD(注意欠陥・多動性障がい)のあるこどもの多くは、自閉症スペクトラム障がい(ASD)や学習障がい(LD)の特徴を併せ持っている場合が多いので、柔軟な対応が必要です。

学校や学級でいじめ防止につながる人権教育に取り組む、クラスメイトが障がいのあるこどもの特性を理解して、自然にサポートする雰囲気作りをする、将来の就労をイメージしてこどもの長所や才能を伸ばす教育に力を入れる、といったアプローチが期待されています。

合理的配慮をどのようなかたちで実現するかは、こどもの特性や状況、問題の内容などによってケースバイケースです。

学校単位や教員レベル、ときには家族を含めて話し合いながら、こどもが直面している生きづらさを理解して、学校生活が送りやすいように障害を取り除く必要があります。

ADHDの特性に合わせたサポート

発達障がいのうちADHDの特性についての基礎的な理解が大切です。ADHDは、注意力がなく集中力が続かない、忘れ物が多く時間の管理が苦手、じっとして授業を聞いていられない、興味関心にしたがって突発的に他の行動をしてしまう、といった特性が知られています。また、先に知識で理解するよりも、自分の体験を通して学習する傾向が強いこともポイントです。

したがって、次のような教育指導を取り入れる学校が広がっています。

▼授業や教室での指導のために

・ちょっとした不注意やだらしない姿勢、教室を歩き回るといった行動をしても見守る姿勢をつづける
・ADHDが原因の言動は注意よりポジティブな言葉がけで自信を引き出す
・絵や写真などを使った指示を出す
・指示や指導は短くシンプルにする
・言葉による指導よりイラストやフローチャートなど視覚的なアプローチを心がける
・集中できるように教室の掲示物を減らす
・宿題の取り組み方や授業で必要な教材やプリントの管理方法を繰り返しわかりやすく伝える
・安心して話したり、行動したりできるように日頃からルールをはっきり作っておく

▼学校全体で支援するために

・学年全体の教職員と情報共有をしておく
・通常学級と通級、特別支援学級同士の連携を密にする
・特別支援教育コーディネーターやを活用する
・教科書や教材を忘れたときに貸し出しできる仕組みをつくる

▼家族支援のために

・宿題や教科書・教材・プリントの管理などが苦手なこどもを持つ保護者と情報共有をする
・虐待防止を意識しながら保護者のサポートをする
・学校の公式ホームページやSNSなどを活用して、次の授業で必要な宿題や教材などを確認できる仕組みをつくる

このほか、幼稚園から小学校、小学校から中学校といったように、進学や進級に合わせて学校間の情報共有をベースに、新しい環境になじめるサポートも必要です。

まとめ:発達障がいのこどもへの配慮で知っておきたいポイントとは?発達支援と合理的配慮 その2

発達障がいのあるこどもにとって、学校生活はさまざまな困りごとにあふれています。

ただし、こどもによって一人ひとり生活の困難さは多様なので、障害の特性や個性、性格、その他の状況に合わせて合理的配慮の方法を検討することが大切です。

学校全体で取り組むこと、教員や教室、家族支援で考えることなど、複数の視点で合理的配慮に基づいた発達支援が求められています

次の3回目の記事では、発達障がいのあるこどもの具体的な例を紹介しながら、学校生活での困りごとと合理的配慮の方法について解説します。

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