ADHDかもしれないと思ったら?子育てでパパ・ママが気になるポイントまとめ その2
前回の「ADHDかもしれないと思ったら?子育てでパパ・ママが気になるポイントまとめ その1」では、ADHDの基本的な特性や、診断の重要性、そして親が心掛けるべきことについてお話ししました。
今回は、具体的な日常でのコツや、放課後等デイサービスでどのようなサポートが得られるのかに焦点を当ててみます。
日常生活でのコツ
日常生活でのコツには、次の2つがあります。
1.言葉選びとコミュニケーション
明確な指示
ADHDの子どもは、多くの情報に翻弄されやすいです。ですから、言葉選びが重要です。状況に応じて「この後はお片付けだよ」といったシンプルで明確な指示を出すことが大切です。
たとえば、おもちゃを片付ける際には「おもちゃを箱に入れてね」と一つ一つの行動に対して明確な指示を出しましょう。
ポジティブな言葉を使う
否定的な言葉よりも肯定的な言葉で伝えると、子どもが自信を持ち、行動する意欲が高まります。
具体的には、「ダメだよ」と言う代わりに「もっと上手にできるよね?」と肯定的な言葉を選びます。
2.効果的な”報酬システム”
短期的報酬
長期的な目標に対しても、短期的な報酬を設定することで、子どもが努力を持続することが容易になります。
一例として、宿題を毎日するという長期目標に対して、一つの宿題を終えるたびにステッカーをもらえるようにします。
一目でわかる報酬表
子どもが何に努力しているのかを視覚的に捉えられるよう、報酬表やチャートを作ると良いです。
たとえば、「お片付けチャート」を作り、一週間で5回以上お片付けができたら、週末に好きなアニメを見る時間を作る、などの報酬を設定します。
以上が日常生活でのコツに関する具体的な内容です。言葉選びと報酬システムは、ADHDの子どもがよりスムーズに日常生活を送るために非常に重要な要素です。明確な指示や肯定的な言葉、短期的な報酬などを上手く取り入れて、子どもが自信を持って成長できるようサポートしましょう。
学校での課題
ADHDの子どもたちは学校で下記のような2つの課題に直面します。
1.注意力と集中力の問題
授業への参加
ADHDの子どもにとって、長い時間集中して授業に参加することは難しい場合があります。それが原因で授業内容をしっかり吸収できないことも少なくありません。
そこで、例えば、先生が算数の問題を解説している最中に、子どもが他の生徒とおしゃべりを始めてしまうケースがあります。このような場合、授業に対する注意力を高めるために、前の席に座る、先生と目を合わせるなどの工夫が必要です。
宿題とテスト
宿題やテストの準備も、計画性や持続力が必要な作業です。これにはADHDの子どもたちも苦労することが多いです。
そのため、宿題を始める前には、それぞれの課題を小分けにし、「20分数学をやって、5分休憩する」といった短期間で達成できる目標を立てると、集中力が続きやすくなります。
2.社会性の課題
人間関係
ADHDの子どもは、社会的なルールや人間関係を築く上で、時に困難を感じることがあります。
たとえば、順番待ちが苦手で、友達とのトラブルに発展することがあるかもしれません。そのような場合、子どもが社会的ルールを理解するためのサポートが必要です。
チームワーク
集団行動やチームワークは、ADHDの子どもにとっても大きな課題となる場合があります。
具体例として、スポーツやグループ活動で、ルールを守らなかったり、仲間と協力しきれない場合があります。このような状況では、具体的な指示とポジティブなフィードバックが非常に有用です。
学校での課題は、注意力と集中力、さらには社会性に関連するものが多いです。しかし、適切なサポートと環境が整えば、ADHDの子どもも学校生活で成功を収めることが十分に可能です。それぞれの課題に対して具体的な解決策を見つけ、一緒に乗り越えていきましょう。
こどもが不登校になったら……学校に行かなくなるのは発達障がいの可能性も?②
家庭での課題
家庭での課題には、次の2つがポイントとなります。
1.家庭内のコミュニケーション
たとえば、ADHDの子供がいる家庭で、その子供が兄弟のおもちゃを勝手に触ってしまうケースはありませんか?このような場合、兄弟間の摩擦が生じる可能性があります。
親子のコミュニケーション
親としても、ADHDの子供と効果的にコミュニケーションを取るのは一筋縄ではいきません。
したがって、「宿題をやりなさい」と一言で言うよりも、「今、何をしているの?宿題はもう終わった?」といった、対話形式で指示を出すと、子供も反発しづらいです。
2.時間管理と生活習慣
朝の支度
ADHDの子供にとって、朝の一連の流れは特に大変です。
具体的には、朝食のシリアルを食べ終わったらすぐに歯を磨く、といった一つ一つのステップを明確にすると、スムーズに朝を迎えられます。
睡眠時間
十分な睡眠は、ADHDの症状を和らげる効果が期待できます。
たとえば、「9時には寝る」という明確なルールを設け、きちんと従わせることが重要です。
放課後等デイサービスでの具体的なプログラム
日常生活での自立を促すために町の放課後等デイサービスに通わせるのもおすすめです。
放課後等デイサービスでは、下記のようなサービスを提供しています。
1.集中力を高める活動
ゲームやパズル
集中力を高めるためには、目的を持って取り組むゲームやパズルなどの活動が有効です。
たとえば、数字を使ったパズルゲームをすることで、計算力だけでなく、集中力も向上させられます。
図画工作
手を動かしながら創造性を発揮できる図画工作も、集中力向上に役立ちます。
紙とペンを使って、自由に絵を描かせる時間を設けると、集中力を持続させる練習にもなります。
2.ソーシャルスキルのトレーニング
グループ活動
他の子どもたちと協力して取り組む活動は、ソーシャルスキルを高めます。
具体的には、グループでの料理活動など、協力して何かを作り上げる経験は、社会性を育む良い方法です。
ロールプレイ
状況に応じた行動や言葉遣いを学ぶロールプレイも、社会性を身につけるためには非常に有用です。
一例として、お店屋さんごっこをして、お金のやり取りや商品の選び方などを学びます。
このように、放課後等デイサービスでは、専門的なケアはもちろん、集中力を高める活動やソーシャルスキルのトレーニングなど、多角的なサポートが受けられます。
まとめ:ADHDかもしれないと思ったら?子育てでパパ・ママが気になるポイントまとめ その2
この連載の「その1」と「その2」を通して、ADHDに対する理解と、その子どもたちとどう接するかのヒントが得られたでしょうか。子育ては一人ではなかなか大変ですが、周囲のサポートや専門的なケアを利用することで、少しでも楽に、そしてより良い結果を得られることを願っています。
ぜひ子育てで悩みがあったら、放課後等デイサービスなどこどもの発達支援の施設に相談してみることをおすすめします。
Warning: Undefined variable $user_ID in /home/icustom/ns-osaka.com/public_html/wp-content/themes/whitestudio/comments.php on line 12
コメントを書くにはログインが必要です
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。