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2023-04-17

発達障がいのこどもが耳をふさぐ行為をするのはなぜ?聴覚過敏との関係やサポート方法を紹介

発達障がいのこどもが会話の途中や大きな音がした際、両手で耳を押さえたり、耳をふさいだりする様子を見たことはありませんか?

こどもで発達障がいがある場合、耳をふさぐ行為をする場合があります。

ただ、耳をふさぐ行為には、いくつかの原因が考えられるため、どのように接すればいいか悩んでいる方も多いかもしれません。

そこでこの記事では、発達障がいのこどもが耳をふさぐ行為の特徴や原因、対処法について紹介します。

耳をふさぐ行為はこどもが発達障がいの特性による生きづらさを感じている可能性が高く、不快感を和らげるにはどうすればいいかにも触れていますので、ぜひご一読ください。

耳をふさぐ行為のパターン

発達障がいのこどもが耳をふさぐ行為には、以下のようないくつかのパターンに分かれます。

  • 耳を手のひらで押さえる
  • 耳の中に指先を入れる
  • 耳を折りたたんで手で押さえ込む
  • 肩や腕を曲げて耳を圧迫する

こどもによってひとつの方法だけの場合もあれば、複数のパターンを組み合わせて耳ふさぎをしようとするケースもあります。

また、耳をふさぐ行為の時間はこどもによってさまざまです。不快感を与える音がなくなったら耳をふさぐ行為をやめることもあれば、自分で気持ちや感情のコントロールができるようになるまでずっと耳をふさぎ続けることもあります。

一度耳をふさぐ行為が始まると、パニック状態になってしまって、耳を押さえたまま何もできずにしゃがみ込んだり、手足をばたつかせて暴れたり、走り回ったりするこどもも少なくありません。このほか、自分で大きな声を出す、歌を歌うなど、耳をふさぐ行為と合わせて自分の声で不快感を和らげようとするケースもあります。

耳をふさぐ行為をするときの状況

発達障がいのこどもが耳ふさぎをするのは、主に次の2つの状況になっているケースです。

不快な音が聞こえたとき
注意や叱責などをされたとき

とくに、1番目の「不快な音が聞こえたとき」という状況は、耳が敏感なこどもに多いため気をつける必要があります。

では、ひとつずつ見ていきましょう。

不快な音が聞こえたとき

大音量のテレビやスピーカーの音や、街の騒音、大勢の人たちに話し声など、日常生活の環境音が極度に大きく聞こえてしまって騒音に感じるケースです。

そのため、園や学校、人の多い場所(駅やスーパーなど)では、音だけで疲れ果ててしまいます。

ストレスとなる音を聞こえないようにするために、耳をふさぐ行為をしています。

注意や叱責などをされたとき

「テレビを見続けていて注意した」「宿題をしないので厳しく叱った」など、親に叱られたときに耳をふさぐ行為をするこどももいます。

幼少期の場合は、自我を育ち始めているため自分の思い通りにならないと不満を感じたり、厳しい叱り方に対する反発だったり、反抗的な態度を取ることは珍しくありません。

親の注意を素直に聞きたくなくて耳ふさぎをするのは、基本的に発達のプロセスといえるでしょう。ただ、耳をふさぐ行為があまりに頻発している場合は、発達の偏りや他の原因が考えられます。保健センターや小児科などでの相談をおすすめします。

次の項目では、発達障がいのあるこどもで不快な音がした場合に耳をふさぐ行為をする原因を見ていきましょう。

耳をふさぐ行為をする原因

発達障がいには主に次の3つの種類があります。

  • 自閉症スペクトラム症(ASD)
  • ADHD(注意欠如・多動症)
  • 学習障がい(LD)

このうち、自閉症スペクトラム症(ASD)の特性が強いこどもは、次のような聴覚過敏や、過度の不安や緊張を感じやすさが原因で耳ふさぎをすることが多く見受けられます。

  • 聴覚過敏
  • 音の聞き分けが苦手
  • 過度の不安や緊張状態

以下で、具体的にひとつずつ原因を見ていきましょう。

聴覚過敏

聴覚過敏とは、外から聞こえる音の刺激に過敏に反応してしまう特徴のことです。通常の聴覚に比べて、突然の音や騒音はもちろんのこと、生活音や環境音にも敏感に感じてしまい、騒音のような不快感によるストレスを感じます。また、わずかな音量の音や会話も聞き取れるこどももいます。

音量が大きい、小さいだけでなく、こども自身にとって嫌な音であるか、また聞こえた音から過去の嫌な思い出が蘇って不快感につながるケースも少なくありません。

例えば、聴覚過敏が起きやすい音の種類に次のようなものがあります。

  • 赤ちゃんの泣き声
  • 掃除機や布団をたたく音
  • スーパーの騒音
  • 車のクラクション
  • 人ごみの騒音
  • 疲れているときの他人同士の会話
  • 救急車のサイレンや車のエンジン音

聴覚過敏は、感覚過敏のひとつですが、生活のさまざまな音が原因となるため、日常生活に支障をきたしやすいのが問題です。

音の聞き分けが苦手

聴覚過敏のこどもの場合、音や会話の聞き分けをする力が乏しい場合があります。

例えば、通常の聴覚を持った人は、周囲の騒音があっても他人と会話をしているときに他人の声を集中的に耳で聞き分けることができます。雑音を聞かないようにして、話し声だけを聞き取る力が強いからです。

一方で、発達障がいのあるこどもの中には、騒音も会話の声もダイレクトに耳にはいってきて聞き分けが難しい場合があります。ちょうどオーケストラが演奏前のチューニングで一斉にさまざまな楽器の音を出している状態です。音の種類によって聞き分けができないまま、大量の音が聴覚を刺激するため、音のストレスや不快感となり、パニック状態になります。

過度の不安や緊張状態

自閉症スペクトラム症(ASD)のこどもは、日常生活で不安や緊張を感じやすい特性があります。そのため、何らかの原因で強い不安や緊張に襲われたとき、自分を落ち着かせようとして耳を押さえたり、耳に指を入れたりする様子が見られます。

突然耳をふさぐ行為をこどもがしたとき、表情や体の動きから不快なストレスを感じていることがわかります。パニック状態になりそうなときは前もって察知して、不安や緊張の原因になっているものから遠ざけたり、気持ちを穏やかにする方向へリードするといったサポートをしてあげましょう。

耳をふさぐ行為をする聴覚過敏のサポート方法

聴覚過敏や過度の不安や緊張状態で耳ふさぎをよくするこどもには、次のようなサポート方法があります。

  • 耳の刺激を弱めるアイテムを利用する
  • 音が聞こえない場所へ移動する
  • 聴覚過敏を園や学校に伝えておく
  • 感覚統合療法を受ける
  • 薬物療法を受ける

とくに、3番目の「聴覚過敏を園や学校に伝えておく」という点は、こどもが保育所・幼稚園や学校での集団生活で感じる生きづらさを和らげて、社会生活に馴染むために大切なポイントです。

では、ひとつずつ見ていきましょう。

耳の刺激を弱めるアイテムを利用する

イヤーマフや耳栓、ヘッドホンやイヤホンなど、外部からの音をふさぐアイテムを活用しましょう。ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンなら、音量が調節できるため外出時の危険も少なくなります。

音が聞こえない場所へ移動する

不快な音がしたときは、その場を離れるように訓練しましょう。また、人ごみは時間を決めて出かけて、落ち着いたお店や休憩スペースでゆっくりと休ませることも大切です。

聴覚過敏を園や学校に伝えておく

聴覚過敏は外からわかりづらいので、事前に保育所や幼稚園、学校の関係者に連絡しておきましょう。できるだけ音に配慮をしてもらう、音のストレスで耳をふさぐ行為をしたときは静かな別室に連れて行ってしばらく休ませるようにお願いする、など先生たちとサポート方法を取り決めしておくことをおすすめします。

感覚統合療法を受ける

発達支援の現場で導入されている「感覚統合療法」で、聴覚過敏をコントロールできる場合があります。

感覚統合とは、周囲からの刺激や感覚といった情報を頭のなかでまとめて、無意識で行動に移す前段階のプロセスのことです。遊びや運動を繰り返しながらこどもは感覚統合を発達させます。発達障がいのあるこどもは、この感覚統合が苦手な場合が多いため、感覚統合療法で改善を目指します。

なお、感覚統合療法は柳沢運動プログラムを実践する放課後等デイサービス「New Step大阪」で受けられます。

薬物療法を受ける

日常生活に大きな支障をきたしている場合は、医師の診断のもと、発達障がいや不安・緊張などに対する薬剤を処方をしてもらいましょう。

まとめ:発達障がいのこどもが耳をふさぐ行為をするのはなぜ?聴覚過敏との関係やサポート方法を紹介

発達障がいのうち、自閉症スペクトラム症(ASD)の特性が強いこどもは、音の刺激を和らげようと耳をふさぐ行為をすることがあります。

聴覚過敏や、過度の不安や緊張などが原因です。

そのため、苦手な音をできるだけ避けるようにしたり、不快感が強いときは静かな場所で休んだりするようにしましょう。

また、放課後等デイサービス「New Step大阪」で取り組んでいる感覚統合療法を受けると、周囲のさまざまな刺激や感覚を整理して受け止められるアプローチができます。とくに独自の運動プログラム「柳沢運動プログラム」は、脳の感覚統合の発達を促進するのでおすすめです。

こどもの耳をふさぐ行為が心配な方は、発達支援の実績がある放デイ「New Step大阪」までお気軽にお問い合わせください。

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