発達障がいのあるこどもの遊びとは?発達段階で変化する遊びの種類(2)
発達障がいのあるこどもがお友だちとの遊び方について考える前に、発達障がいの特性について押さえておきましょう。
ADHDの3つの特性
発達障がいのなかでもADHDの特性には、次の3つのポイントがあります。
・不注意
集中力が続かない、忘れ物が多い
・多動性
じっとしていられない
・衝動性
急に飛び出してしまう、迫られるように言動をする
たとえば、不注意の特性が強いADHDのお子さんは、注意力が高くないため、ずっと遊びに熱中していると周りの声掛けにも気づかない、友だちとのルールや約束を忘れてしまう、といったことが続いて、お友だちの気持ちをイライラさせていまうケースが見られます。
また、じっとしていられない多動性の強いお子さんの場合は、みんなが一緒にひとつの遊びをしていても、急にどこかにいってしまったり、他の遊びを始めたり、「空気が読めないヤツだ」とお友だちに思われて、孤立化しやすいことも珍しくありません。
衝動性が強いお子さんでは、ちょっとしたけんかでもすぐに手が出たり、相手を傷つける言葉を平気で言ったりして、友人関係のトラブルを招くケースがよくあります。
本人は悪気はなくて自然に振る舞っているだけでも、周囲のお友だちとのちがいから、トラブルが絶えず、やがて友だちとうまく遊べないとひとりぼっちになってしまうお子さんが少なくないため、こどもにとって遊び方は非常に重要な課題といえるでしょう。
遊びの発達段階を踏まえた遊びを
お友だちとうまく遊べるようになるためには、まずひとりで遊ぶ段階でしっかりと感覚を磨いて、お子さんに自信を付けさせることが大切です。成功体験を一つずつ積み重ねていくと、お友だちとの関係にも好影響を与えて、自然にうまく付き合いができるようになったケースもよく見られるからです。
発達障がいのあるこどもの場合、必ずしも年齢にマッチした遊びを好むわけではありません。たとえば、小学校の高学年や中学生になってもおままごとやヒーローごっこを楽しむお子さんもいます。また、大きくなっても水遊びや砂場遊び、バランスを使ったような感覚遊びを好むお子さんも少なくありません。
発達に応じた遊びで大切なポイントは、遊びの段階が上がるにつれて、遊ぶ相手の人数が増えていくことです。
たとえば、感覚遊びはお友だちと一緒に遊んでいるようでいて、実際はこども自身だけのなかで完結している遊びです。しかし、大人の真似をする模倣遊びでは初めて遊びに相手の存在が登場します。さらに、ごっこ遊びやルール遊びになると数人から数十人へと、一緒に遊ぶ人数が増えていくのです。
そのため、感覚遊びや模倣遊びをしっかりとした上で、次の遊びの段階にうまく移行できるようにサポートしていく必要があります。
たとえば、定型発達のこどもたちの教育現場では、ゲームを取り入れたルール遊びでこどものソーシャルスキルを学ばせる傾向があります。
ですが、こどもがルール遊び以前の遊びの段階をしっかりと経験していないと、複数のメンバーが関わるルール遊びはうまくいかないことが大半です。そのため、いきなり社会のルールを学ばせたいからと、遊びの段階を無視してルール遊びをさせるのではなく、本人の様子を観察しながら「いまうちのこどもは、遊びのどの段階にいるのだろう」と把握して、その段階をしっかりと味合わせておくことがポイントとなります。
まとめ:発達障がいのあるこどもの遊びとは?発達段階で変化する遊びの種類(2)
ADHDなど発達障がいのあるこどもの遊びは、障害の特性を知った上で工夫していくことが大切です。とくに遊びの発達段階を考えずに、高度な遊びをさせようとしても、お友だちとの関係づくりに大切な感覚や感性がまだ育っていないため、失敗してしまうケースが多いので気をつけましょう。
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