発達障がいのあるこどもへの配慮で大切なポイントとは?社会に必要な「合理的配慮」の考え方(3)
自閉症やアスペルガー症候群、ADHDなど、発達障がいのあるこどもたちは、学校での学習や集団生活でさまざまな困りごとを抱えています。
そこで大切なことは、学習の支援や学校生活でのサポートです。
障害者差別解消法の合理的配慮は、学校でもとても大切なキーワードとなっています。
今回は、学校生活での具体的な合理的配慮の方法について解説します。
学校生活での合理的配慮の具体的ケース
まず、学校生活で実際に取り入れられている合理的配慮の例を紹介します。
・学習障がい(LD)のため読む・書くといった読字障がい・書字障がいのあるこどもにタブレットを使った勉強法をおこなう
・盲導犬や介助者と一緒に授業を受けることで、身体障がいや視覚障がいのあるこどももみんなと一緒に授業や学校生活を送る
・自閉症スペクトラム障がい(ASD)やADHD(注意欠陥多動性障がい)の特性のため、言葉による指示を理解しづらい生徒には、イラストや写真を使ったカードで指示出ししたり、複雑な指示を分解して一つずつ指示を送るようにする
・感覚過敏が強いこどものために、周囲の視線を遮るボードのついた机で授業を受けさせる
・緊張しやすいこどもは、別室でテストをおこなう
学校生活での合理的配慮で大切なポイント
合理的配慮を取り入れるときに大切なことは、障がいの種類や程度、一人ひとりの特性によって、合理的配慮の方法はさまざまだということです。そのこどもにとっての困りごとをしっかりと把握して、どんな場面で困りごとが起きているのかをまっすぐ捉えた対応が必要となります。
なお、合理的配慮は次の4つのポイントからチェックしていくことをおすすめします。
・コミュニケーション
・集団生活での行動
・学習
・メンタルヘルス
先生ひとりの対応では難しいことも多いため、家庭での様子を定期的に伝える、学校側と話し合う機会を作ってもらう、当面の目標を学校と親とで揃えておく、といった工夫が大切です。
放デイのソーシャルスキルトレーニング
発達障がいのあるこどもたちが、社会性を身につけて、学校生活の困りごとを減らしていく方法のひとつに、ソーシャルスキルトレーニングがあります。
地域の放課後等デイサービス(放デイ)では、ソーシャルスキルトレーニング(SST)に取り組んでいる施設が少なくありません。
ソーシャルスキルトレーニングとは、その場の空気を読み取ったり、相手の気持ちを察して行動したりなど、発達障がいのこどもたちが苦手なコミュニケーション能力を身につける手法です。
ロールプレイングで、学校の良くある場面を一緒に考えながら、友だちとのコミュニケーションの取り方や、社会でのマナーを学びます。
学校での合理的配慮の効果をより高めるためにも、ぜひソーシャルスキルトレーニングの機会を与えていきましょう。
まとめ:発達障がいのあるこどもへの配慮で大切なポイントとは?社会に必要な「合理的配慮」の考え方(3)
今回は、3回にわたって、発達障がいのあるこどもと合理的配慮について解説しました。障害者差別解消法で注目される合理的配慮は、発達障がいのあるこどもたちが日常生活や社会生活を送るときにとても大切な支援の考え方です。
とくに学校では、学習やお友だちとの関係を続けていくときに適切な配慮のもと、過ごしやすい環境で学校生活を送ることができるような支援が鍵を握ります。
また、吹田のNew Step大阪のように、放デイ(放課後等デイサービスでおこなわれているソーシャルスキルトレーニングを通して、こどもたちの社会性を身につけることも大切です。こどもが暮らしやすい環境を整えること、そしてこども自身が社会で生きる力を身につけること、どちらのアプローチも意識していきましょう。
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