発達障害のこどもの勉強方法を考える②学習障害(LD)の種類
前回は、発達障害と学習障害(LD)との関係について簡単に見て来ました。
今回は、3つの学習障害(LD)のタイプとその特徴について学んでいきましょう。
学習障害(LD)の3つの種類
学習障害(LD)には、主に次の3つの種類があります。
①ディスレクシア(読字障害)
字がうまく読めない症状が強い学習障害(LD)です。
文字の形をうまく認識できなかたり、読み方が習得できない傾向があります。
②ディスグラフィア(書字表出障害)
書くのが苦手な学習障害(LD)のひとつです。
文字の形をうまく認識できないので、文字を目で見てうまく再現する情報処理の能力に支障が及びます。
③ディスカリキュリア(算数障害)
計算や数的なセンス、推論などが困難な学習障害(LD)です。
「1、2、3…」のように数を順番に数えることはできますが、「3と9はどちらが大きいか」「8÷2はいくつ?」といった数の概念が必要な算数や数学になると途端に困難さが生じます。
こうした学習障害(LD)の傾向は、小学校で目立って見えるのが特徴です。
幼児期までの日常生活や遊びでは親御さんも「読み書きが苦手なのかな?」「数字はちょっと難しそう」くらいに思っているケースが多いです。
しかし、国語や算数といった学校での勉強がスタートすると、少しずつ学習に遅れが出るようになります。この時点でこどもが発達障害かもしれないと気づくケースも少なくありません。
学習障害(LD)の症状
では、具体的にどのような症状が学習障害(LD)には見られるのでしょうか。
①ディスレクシア(読字障害)
・音読が遅い
・たどり読みや逐次読みをする
・読み間違いが多い
・読み飛ばしが多い
・文字を読めても文章の意味がわからない
②ディスグラフィア(書字表出障害)
・文字が思い出せない
・文字を思い出すまでに時間がかかる
・文字のバランスが悪い
・漢字の部首の誤りが多い
・「は」を「わ」と書いてしまう
・先生が読み上げる文章を書き取りできない
・文章ルールが身につかない
・自分の考えを文章にできない
③ディスカリキュリア(算数障害)
・簡単な計算ができない
・暗算ができない
・計算するとき指で数えてしまう
・九九は暗記できても計算に使えない
・文章問題が解けない
このように、学習障害(LD)の症状のひとつひとつは、学校の勉強の積み重ねでどれも欠かせない能力に関わっています。
したがって、どれかひとつでも苦手だったり、困難だったりすると、途端に学校の勉強に付いていけなくなって、授業から取り残されてしまうのです。
まとめ
学習障害(LD)は発達障がいの種類のひとつです。
基礎的な学力である読み書きやコミュニケーション、計算や推論といった能力のどれかが極端に苦手なのが特徴です。
学習障害(LD)をそのままにしていくと、発達障がいのこどもは勉強でつまずいてしまいます。
それでは、どのように勉強を進めていけばいいのでしょうか。
発達障がいの特性を踏まえた上でおすすめする勉強の工夫について次回で詳しくご説明します。
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