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2021-11-22

発達障がいのこどもにとって運動療育はなぜ大切なのか①

発達障がいを持つこどもの多くは、運動が苦手です。

自閉症スペクトラム障がい(ASD)や注意欠如・多動性障がい(ADHD)、学習障がい(LD)といった障がいの種類にかかわらず、筋肉や骨、神経の発達が偏っていたり、運動機能をうまく使いこなせなかったり、日常生活レベルで体を動かすのが不得手なこどもが少なくありません。

近年、こどもの成長とって運動はこれまで考えられていたよりもはるかに大切であることがわかってきました。

こどもの運動はからだの発育を促すだけでなく、脳に刺激を与えて日常生活に必要な考え方や運動できるベースを作る大切なものです。

そこで今回は、発達障がいを持つこどもの運動についてご紹介します。

運動と発達障害

最近、発達支援の現場では、運動プログラムを導入するところが増えてきました。

遊びを兼ねた運動や簡単な体操を毎日のスケジュールに入れて、こどもたちが楽しみながら運動したり、体を動かすポイントを自然に身につけたりする機会を提供しています。

こうした運動療育は、発達障がいを持つこどもの身体的な発育はもちろんのこと、思考力や判断力といった脳の機能を育てるのにも役立ちます。

発達性協調運動障がいとは?

最近、発達障がいの種類に「発達性協調運動障がい」という新しい分類が広がって来ました。

発達性協調運動障がいとは、自閉症スペクトラム障がい(ASD)や注意欠如・多動性障がい(ADHD)、学習障がい(LD)などこれまでの発達障がいと深い関係があると考えられています。

発達性協調運動障がいのこどもたちは幼少期から、姿勢を維持するのが苦手だったり、運動や体操でタイミングよく動作ができなかったりします。

また、日常生活では箸や食器をうまく扱えず食事をこぼしたり、文字をマス目や罫線に合わせてうまく書けなかったり、学習面でも支障をきたす場合があります。

こうした日常生活で必要な動作は、協調運動が求められる動きばかりです。

運動する、遊ぶ、食事をするなど、基本的な日常生活動作がうまくできないと、小さいうちから自信が身につかず、モチベーションが低い、意欲が感じられないといったメンタル面での影響も大きくなっていきます。

「運動神経が悪い」と片付けられない問題

かつて、発達性協調運動障がいのこどもは、「運動神経が悪い」「どんくさい」「努力が足りない」など、こどもの輪の中に入っていけなかったり、大人からも煙たがられたりしてきました。

自信をなくしてしまって、チャレンジをする気持ちを失ってしまい、クラスの中でも大人しくしているこどもの中には、発達性協調運動障がいをはじめさまざまな発達障がいの現れだったのかもしれません。

発達障がいというと、単に家庭での子育てや本人の性格や努力の問題だと言われることが少なくありません。

また、運動の苦手なこどもたちについては、生まれつきの問題にされてきたところもありました。

しかし、発達障がいでは、遊びや体操と大きく関わりを持つ運動機能の発達も注意して観察しなければならないのです。

まとめ|発達障がいのこどもにとって運動療育はなぜ大切なのか①

発達障がいや発達性協調運動障がいの特徴をもつこどもは、学習や生活習慣だけでなく運動が苦手な子が多くいます。

運動が苦手なまま放置しておくと、からだはもちろん脳の発達にも影響するため、発達障がいによる生きづらさをそのまま抱えたまま、成長してしまいます。

発達障がいに関わる運動の不得意さというのは、運動神経が良い・悪いの問題ではありません。次回は、発達障がいのこどもと運動との関係について、もう少し掘り下げていきましょう。

 

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