発達障がいのこどもは普通学級で成長できるって本当!?こどもにベストな学級選びとは
発達障がいのこどもは普通学級で成長できるって本当!?こどもにベストな学級選びとは
発達障がいのあるこどもやグレーゾーンのこどもを持つ親御さんのなかには、小学校や中学校で普通学級がよいか、支援学級がよいか、迷っている方も少なくないでしょう。普通学級と支援学級では、こどもにとってどちらが合っているのか難しかったり、最初からどちらの学級に入れるか決めてしまって柔軟に判断できなかったりするケースもあるようです。
そこで今回の記事では、発達障がいのあるこどもを普通学級に入れる場合、どのようなポイントを気をつければいいか、紹介します。また、普通学級と支援学級のそれぞれの特徴やメリット・デメリットについてまとめて解説していきますので、一緒に確認しましょう。
普通学級と支援学級のちがい
公立の小学校や中学校では、普通学級・通級指導教室・特別支援学級の3種類の学級に分かれています。
1.普通学級
通常学級や通常級とも呼ばれていて、学校の生徒の大半が入る通常の教室です。定員は35名から40名前後です。
2.通級指導学級
通級と呼ばれることもある学級で、普通学級と合わせて在籍します。障がいの特性に合わせた指導を通級で受けながら、学校生活を送ります。なお、通級がない学校もありますが、そのときは近隣の学校にある通級に通うことも可能です。
3.特別支援学級
支援学級やなかよし学級などと呼ばれていて、発達障がいのあるこどもを専門的にフォローする教室です。少人数制が基本で、定員は8名ほど。生徒一人ひとりに個別指導計画を作成して、手厚い支援や指導をおこないます。
普通学級と支援学級では、学習環境やトラブルの可能性、集団行動の内容などで大きな違いが見られます。
普通学級の場合、一日のほとんどを同じクラスの同じメンバーと過ごします。全員同じ時間割に基づいて、一斉授業を受ける集団学習が特徴です。
そのため、授業中や休み時間はもちろん、給食中や掃除中など先生の目が届きづらいシーンでも毎日のようにこども同士のトラブルが発生します。
一方で、特別支援学級や通級では、学年にかかわらず発達段階に合わせた勉強ができたり、生活スキルや自立を学ぶための普通学級にはない科目があります。そのため、同じ教室でも、こどもによって学習内容が異なる場合も多く見られます。また、担任の先生のほかに副担任や指導員が入って授業や休み時間もフォローしているので、お友だち同士の大きなトラブルにならないケースがほとんどです。
普通学級はさまざまな刺激があるから成長にプラスになる!?
親御さんによっては、最初から普通学級しか考えてないケースも少なくありません。とくに発達障がいのグレーゾーンと呼ばれるこどもの親御さんは、普通学級に入るのが当たり前、支援学級は考えられない、という意識の場合も多いようです。
よく言われる話として、発達障がいのあるこどもやグレーゾーンのこどもは普通学級で過ごすと、集団生活のなかでさまざまな刺激が受けられるからいいことだ、というものです。
しかし、発達障がいの特性そのままで普通学級に入っても、他のクラスメイトは学習がどんどんこなせていく一方で、勉強についていけなくて自信をなくしてしまったり、うまくお友だちとコミュニケーションが図れないため孤立化してしまったりといったリスクが大きくなります。
また、ときにはいじめやトラブルなどで「いい刺激」ではなく「マイナスの刺激」を受ける可能性もあるでしょう。
それでは、どのような場合に普通学級より支援学級を選んだほうがよいのでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。
発達障がいの特性による支援学級を選ぶポイント
発達障がいのあるこどもを支援学級に入れるポイントは、次の3つです。
1.勉強についていけなくなった
小学校入学後、1年生や2年生までは、普通学級でも問題ありません。ただし、3年生になって本格的な学習が始まると、普通学級ではついていけない場合が出てきます。通級での指導ができないか、支援学級へ移るかを考える時期になります。
とくに、ひとりで宿題がこなせない、テストの成績が全般的に悪い、といった場合は、支援学級への移動を検討すべきタイミングといえるでしょう。
5年生、6年生の場合は、学習面だけでなく生活習慣や学校でのトラブルがないかを含めて総合的に判断する必要があります。担任の先生から支援学級の話が出た場合は、そのまま移動させることがおすすめです。
2.こども同士のトラブルがよく起こる
1年生、2年生の低学年のうちは、発達障がいの診断を受けていても普通学級で対応できる場合が多くあります。学校によって、補助の先生や指導員が入って授業を進める場合が多いため、学習面はもちろんのことクラス内のトラブル防止の支援も期待できるからです。
ただし、3年生、4年生になると、グループでの行動がはじまって、コミュニケーションスキルが複雑になったり、相手の気持ちを理解しながら行動しなければならないシーンが増えてきます。発達障がいのあるこどもは、友だちの輪に入れずに教室で一人ぼっちで過ごす時間が目立つようになっていきます。学校でのトラブルが気になったり、担任の先生から支援学級への移動をすすめられたときは、適切な支援を受けさせるためにも考えるタイミングといえるでしょう。
さらに、5年生、6年生に入ってきて、教室内でのトラブルが増えた、授業に集中できない、といった連絡が担任の先生から多くなったときは、その時点で支援学級に入れることがおすすめです。
3.集団行動が困難になった
学校生活に慣れていない低学年のうちは、集団での行動がうまくできなくても、担任の先生のフォローでうまく対応できるケースがほとんどです。ただし、発達障がいの特性のために集団行動ができないことが明らかな場合は、担任の先生に支援学級の相談をしてみるのもいいかもしれません。
学校生活が本格化してくる3年生、4年生になっても集団行動に外れてしまうような場合は、支援学級を検討するタイミングです。そのまま高学年になったとき、発達障がいのあるこどもが普通学級で過ごすのは難しくなります。一人だけ集団行動ができない、ルールが守れないといった理由で、お友だちとのトラブルも増えてくるためです。
担任の先生の意見が重要な鍵を握る
普通学級から支援学級に入れるタイミングは、どの時点がよいか正解はないため、難しい判断を迫られます。とはいっても、支援学級でないとそのこどもの学校生活に大きな支障が出るといった場合は、担任の先生から支援学級を考えてはどうか相談がありますので、検討する節目と捉えることがポイントです。
また、学校生活になじめないと、やがてこどもは学校に行きたがらなくなり、不登校傾向が強くなります。
このように、担任の先生から支援学級の話があった、不登校になってきた、といった場合は、支援学級に入れる方向で考えていくようにしましょう。
支援学級を検討するときの相談先は?
「そろそろ支援学級に入れないと大変かもしれない」と感じたら、どこに相談すればよいのでしょうか。
1.学校に相談する
学校に相談すると、普通学級と支援学級のちがいや、お子さんの現状を踏まえた上でのアドバイスを受けられます。担任の先生が窓口となって、さまざまな相談に乗ってくるので、家庭での困りごとを伝えてみるのもいいでしょう。
また、支援学級の見学をお願いして、実際の支援学級の様子やサポート内容を確認するのもおすすめです。
2.担当医に相談する
発達外来の担当医に話して、医学的な見地から今後の学校をどうすればいいか相談してみましょう。
発達障がいの診断を受けた病院であれば、医師から障がいの特性に応じたアドビスが受けられます。必要に応じて専門機関や相談先につなげてくれる場合もあるでしょう。
3.放課後等デイサービスに相談する
発達障がいのある就学児から高校生までのこどもたちが放課後や休日を過ごす放課後等デイサービス(放デイ)には、発達支援の専門スタッフが在籍していて、学校の相談を受け付けている場合があります。
通所しているこどもたちは、発達障がいの診断を受けていたり、グレーゾーンといわれて日常生活の困りごとを抱えている児童です。放デイには、療育だけでなく学校の支援学級についての情報や知識も集まるため、相談内容から支援学級に入れるタイミングのヒントをもらえるチャンスがあります。
まとめ:発達障がいのこどもは普通学級で成長できるって本当!?こどもにベストな学級選びとは
発達障がいのあるこどもを普通学級に入れるか、支援学級がいいのか、親御さんによって意見が分かれるところです。もし迷ったときは、担任の先生から学校での様子を聞いたり、先生の意見を参考にして考えていきましょう。
また、学校選びは一人で悩むには大変大きな問題です。そのため、学校や担任に相談する以外にも、医師や放デイなどの力を借りながら、支援学級に入れるべきかどうか、検討してください。
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