発達障がいのあるこどもにとって絵本とは?絵本の読み聞かせでこどもの心を育む①
発達障がいをもつこどもの心を育てるのに、絵本はとても大切なアイテムのひとつです。おうちでの読み聞かせや外出先での待ち時間にこどもが好む絵本を一緒に読むと、こどもも安心して落ち着いた時間を過ごせます。
しかし、こどもが気に入る絵本を見付けるまでには、どの親御さんもご苦労があるようです。発達に遅れがある、発達障がいの特性に個性がある、こういったこどもたちは、言葉の遅れがともなうため、単に読み聞かせだけでは興味や関心を引き出せないこともしばしば。
「こどもが気に入る絵本がなかなか見つからない」
「うちの子はどんあ絵本が気に入るのかしら」
「年齢が上がったり、環境が変わったりして急にそれまで好きだった絵本に興味を示さなくなって困っている」
発達障がいをもつこどもの育児をしている親御さんから、絵本選びで悩んでいる声をよく耳にします。
そこで今回から3回にわたって、発達障がいのあるこどもと絵本についてご紹介します。1回目のこの記事では、おうちで親御さんが絵本の読み聞かせをすると、こどもにどんなプラスの効果について考えてみましょう。
こどもの心を育てる絵本の読み聞かせ効果
親御さんの絵本の読み聞かせを楽しみにしているこどもたちをよく見かけます。目をキラキラさせながら、親御さんが話しかける物語に集中する、絵本を食い入るように見つめて読んでいる、そんなこどもたちを見ていると、こちらも微笑ましい気持ちになってきますよね。
こどもたちが大好きな絵本の読み聞かせには、次のような効果があると考えられます。
・想像力
言葉や絵を通じて、想像の世界で遊びながらイメージをたくさんふくらませることができます。あらゆるものを生み出す想像力が養われたこどもは、クリエイトな遊びや学習にもプラスになります。
・集中力
じっと絵本に聞き入る時間がある程度長くなるほど、集中力が身につきます。遊びや勉強をはじめさまざまな日常生活のシーンに集中力は欠かせません。
・疑似体験
じぶんが体験したことがない、体験できないことを頭と心で体感できます。世界の広がりを絵本を通じて知るチャンスです。また、感情や気持ちにはさまざまな種類があること、人によって気持ちの感じ方が異なることなど、も学べます。
・豊かな感性
登場人物の言動やストーリー展開を通して、心を養うことができます。さまざまな物の見方や感じ方に触れれば、こどもたちの感性も豊かに育ちます。
こんな絵本の読み聞かせにまつわる悩みはありませんか?
ADHD(注意欠陥多動性障がい)やASD(自閉症スペクトラム症)、LD(学習障がい)などの発達障がいをもつこどもは、絵本の読み聞かせが苦手な場合が少なくありません。
ただ単に読み聞かせをしても興味を示してくれなかったり、こどもひとりで絵本を読んでいるようでいてただページをめくるだけの様子のこどももいます。
絵本の読み聞かせにさまざまな効果があるといっても、言葉の遅れが出やすい発達障がいのあるこどもにとって、絵本の良さを理解してもらうまでには紆余曲折があるものです。親御さんは、簡単な言葉を選んで読み聞かせをしているつもりでも、こどもたちからすると言葉が難しすぎて何を言っているのかよくわからない、だから絵本の読み聞かせにそっぽを向いてしまう、といったパターンに陥ることもあります。
未知の外国語で会話をしているような、そんな戸惑いや理解できないイライラから、絵本の読み聞かせが嫌いになってしまうこどももいるようです。
ですが、絵本は言葉の発達を助けるとともに、豊かな情操教育をおこなうのには不可欠なツールです。絵本の読み聞かせを積み重ねることで、どんどん新しい言葉を覚えることができるほか、自分の知らない世界を疑似体験したり、想像力や感性を養ったりできます。
まとめ:発達障がいのあるこどもにとって絵本とは?絵本の読み聞かせでこどもの心を育む①
発達障がいをもつこどもの中には、絵本の読み聞かせが苦手なこどもが多く見られます。発達障がいの種類や特性によって言葉の遅れが出やすいため、絵本の読み聞かせに興味や関心を示さないことが少なくないからです。
しかし、絵本の読み聞かせには、想像力や感性を育む、言葉を学ぶ、気持ちや感情を知る、など、たくさんの効果があります。
それでは、発達障がいをもつこどもが聞いてくれる絵本とは、どのようなタイプなのでしょうか。次の記事で詳しくご紹介します。
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