発達障がいのあるこどもの伸ばし方のポイントとは?得意や才能を見つけて自信のあるこどもを育てるために①
発達障害のあるこどもをお持ちの親御さんは、こどもの得意や才能の伸ばし方に悩んでいるケースが多く見られます。発達障がいの特性として、得意なことと不得意なことがはっきりしていてその差が大きいといった特徴があるため、どうしてもこどもと接するとき不得意なこと、苦手なことにばかり目が行きがちだからです。
しかし、得意と不得意が極端だということは、得意な分野を伸ばせば周囲がびっくりするような能力を発揮する可能性がある裏返しともいえます。
そこで今回から2回に分けて、発達障がいのあるこどもの伸ばし方について考えていきましょう。まず。こどもの才能と発達障がいの特性との関係について見たうえで、お子さんの個性の伸ばし方のポイントを紹介します。
発達障がいの特性と才能の関係とは?
あらゆることに才能や能力を持っているという人は、なかなかいません。どんな人だって、得意なこともあれば苦手なこともあります。これは発達障がいを持っているかどうかに関係なく、誰しも当てはまることです。
例えば、Aさんは算数は得意で100点を取るけれど、国語が苦手でいつも10点、20点しか取れないといった場合をイメージするとよいでしょう。これはあらゆる才能に当てはまります。体を動かすのは好きなのに、なわとびだけ苦手というお子さんもいるかもしれません。また、自分の好きな車のことになると驚くような記憶力や興味を発揮するのに、それ以外のことはまったく覚えられない、といったお子さんも発達障がいのあるこどものなかではよく聞く話です。
ただし、得意と苦手で注意しなければならないことは、たとえ一般的には苦手で不得意と捉えられていることでも、実は得意なものが隠れている可能性があるということです。
ルールや決まり事をきちんと守らなければ気が済まないこどもは、どんな場合にでも融通が利かないため親御さんからすると扱いづらいと感じるかもしれません。しかし、勉強や作業で厳格なルールや手順を踏む必要がある場合、とても素晴らしい長所になるでしょう。
問題は、一人の人間のなかで得意なことと苦手なことの偏りが非常に大きかったり、そのせいで日常生活に支障をきたすような状態になっていたりすると、本人の生きづらさ、自尊心の低下につながります。とくに発達障がいのあるこどもたちは得意と苦手が極端なため、日常生活の困難を感じてしまい、得意なことを才能として引き出すチャンスが与えられないまま成長してしまうケースも多く見られます。
こどもの伸ばし方で大切な才能を捉え直すアプローチ
人はついネガティブなことに目が行きがちです。たとえ魅力的な才能を持っていても、人と比べてできないこと、苦手なことがあると、自信をなくしたり、本来持っている能力を十分に発揮できなかったりするケースが少なくありません。
とくに発達障がいのあるこどもの場合、発達障がいの特性が目立ちすぎて、裏に才能が隠れていることがわかりづらかったり、障がいの特性がすぐれた才能によってどちらも発見が遅れたりするなど、才能と発達障がいをうまく見分けられない場合があります。
そのため、発達障がいのあるこどもの才能の伸ばし方で大切なのは、こどもたちの得意なことや熱中できることを発見する作業です。
発達障がいの特性と才能をうまく客観的に見つけていくにはどのようにすればよいのでしょうか。最近、注目されている手法にリフレーミングと呼ばれるものがあります。
リフレーミングとは、一見短所に見えるこどもの性格や特徴をポジティブに長所として捉えていくアプローチです。たとえば、物事の順番にこだわりを持っているこどもは、ときに融通が利かなくて頑固と思われるかもしれません。しかし、その特徴をうまく活かすことができれば、ルールや計画をしっかり守ってミスなく作業を進めることができるプラスの才能といえます。
また、思ったことを何でもズバズバ言ってしまうお子さんは、大人にとって厄介な場合もあるでしょう。しかし、何度も率直に本音で話してくれるフランクな性格と捉え直すことも可能です。
ただし、こうしたリフレーミングの作業をして再発見した得意なことや才能は、国や地域、学校や家庭によって捉え方に大きな差があります。自己主張することが良しとされる国ではフランクな性格は受け入れられますが、謙遜を美徳とするような社会ではかえって短所になってしまう場合があるためです。とくに日本は、歴史的にも文化的にも、こどもが個性を発揮してのびのびと成長しづらい国といえるでしょう。そのため、生活している環境とどこまで折り合いを付けるかが、大きな課題となります。
とはいっても、こうしたリフレーミングを通して発達障がいの特性や個性・性格と得意なことや才能を改めて見つめ直すことはとても大切なプロセスといえるでしょう。実際に紙に書き出して、お子さんのひとつの「短所」が長所に捉え直せないか、考えてみてください。
まとめ:発達障がいのあるこどもの伸ばし方のポイントとは?得意や才能を見つけて自信のあるこどもを育てるために①
発達障がいの特性と才能は切り離せるものではなく、表裏一体であることが少なくありません。そのため、一見短所に見える個性や性格も、リフレーミングなどの作業を通して得意なことや長所としてサポートしていくチャンスがあります。
暮らしている社会との相性もあるため、リフレーミングした結果がすべてよりよりこどもの伸ばし方につながるとはいえませんが、隠れた才能や得意で見えづらかった性格を見つけるためにも、改めてお子さんを客観的に捉えるアプローチを持っておくようにしましょう。
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