5領域とは以下の5つを指します
NewStep大阪では、厚生労働省のガイドラインに示されている、「5領域」について、集団での取り組み、運動療育等の各活動を通して、総合的に支援を行います。
① 「健康・生活」
心と体の健康の維持・改善
日常での関わりや療育を通して、健康状態や、心の状態把握に努めています。気がついたところは保護者様や、学校や保育所(幼稚園)などの関係機関と共有を図り、早期の改善へ繋げていきます。調理活動では、料理をして食べる、お菓子を作るなどの過程を体験することで、食育について考える機会も設けています。
生活リズム、生活習慣の形成
運動遊びや静かな活動などの療育を通して、睡眠、食事、排泄などの基本的な生活リズムが身に付けられるように、メリハリのある活動プログラムを提供しています。環境面では、掲示物やひとりひとりに合せたお声掛けなど、わかりやすく過ごしやすい環境となるように、工夫をしています。
基本的生活スキルの獲得
活動のなかで、自立した行動へ繋げていけるような支援、関わり、環境を提供します。室内での調理活動や、制作活動だけでなく、課外での活動を通して、様々な経験を積める社会体験活動も取り入れることで、サポートを受けながらでも自分で取り組み、「出来た!」という達成感を大切にしています。
② 「運動・感覚」
基本的運動機能及び体幹・筋力の向上
「運動あそび」を通して、楽しく体を動かします。楽しく体を動かしながら、基本的な体の使い方、動かし方、指先の感覚をはじめとした体幹・基礎筋力の向上だけでなく、空間認知能力の向上へ繋げていきます。運動遊びは、ひとりひとりの課題やニーズに合わせて楽しく継続できるようなプログラムを提供しています。
保有する感覚の総合的な活用
「運動あそび」には、手足の指先を使った遊びや、耳で聞いた言葉通りに取り組むプログラムも取り入れています。また、各感覚を刺激するような集団での遊び(集団遊び)も提供しています。
③ 「認知・行動」
認知の発達や行動の取得
「運動遊び」に取り組むことで、さまざまな感覚刺激を図ります。視覚、触覚、聴覚などの感覚を刺激することで認知の発達を促していきます。
空間や時間等の概念形成の習得
運動と学習は、密接に関わる部分でもあります。「運動遊び」では、身体感覚を養うことでボディイメージを高め、さまざまな感覚から認知を行い、行動面のコントロールへと繋げていきます。
適切な認知、行動の習得
さまざまなルールや環境プログラムを提供し、その環境に応じた認知を行い、適切な行動へ移していけるようにサポートします。また、繰り返し取り組むことで理解を深めて、行動の定着化を目指します。
④ 「言語・コミュニケーション」
言語の形成と活用、受容と表出
活動を集団で行うことで、自然とSST(社会生活技能訓練)の要素を含んだ取り組みとなります。集団活動では、楽しい環境づくりのなかで、たくさん笑い、チームで協力して話し合うなどの機会を設けることで、相互間でのコミュニケーション能力の向上を目指します。
コミュニケーションの基礎能力の向上
集団遊びでは、お手本として支援員と一緒にお友達の前で発表するなどの機会を設けることで、集団の中でも自信をもって過ごせるようにサポートをおこなっています。そこから集団の中での意思表出、相手の話の傾聴、相互間でのやりとり等に繋げていきます。
コミュニケーション手段の選択や活用状況の概念の獲得
日々のお友達や支援員との関わりだけでなく、「静かな活動」ではフラッシュカードや絵本(紙芝居)の読み聞かせを通して、状況に合わせた考える力を養い、コミュニケーション力の向上を図ります。
⑤ 「人間関係・社会性」
他者との関わり(人間関係)の形成
運動プログラムである「運動遊び」「集団遊び」をはじめ、SST(社会生活技能訓練)を取り入れたさまざまな集団活動のなかで、楽しく身に着け、実践することにより、たくさんのお友達や支援員との関係性の構築を図ります。
自己理解と行動の調整
活動のなかで、環境や場面に応じたルールやお約束についての理解を深めます。また「運動遊び」では、身体の感覚を刺激し、自身の体をコントロールすることを体得していくことで自己理解を深めて、感情面のコントロールをする力が高まっていきます。
仲間づくりと集団活動への参加
集団での遊びや、集団の中で過ごすことが苦手でも、ルールや環境を工夫することで少しずつ参加できるようになります。そのためには、小さな「出来た!」という達成感を積み重ねて自己肯定感の向上へと繋げ、前向きな気持ちで集団のなかでお友達と一緒に過ごせるようにサポートをします。