発達障がいのこどもの二次障害とは?そのポイントと対処法、予防について知ろう
発達障がいは病気ではなく、こどもの特性のひとつと捉える考え方が広がっています。
そのため、発達障がいの種類や程度によっては、発達障がいだと気づかれないまま成長するケースも少なくありません。
症状がはっきり現れるようになってから、「小さい頃の独特な行動や動きが発達障がいが出ていたものだった」とわかる親御さんも少なくないようです。
病気ではないとはいっても、発達障がいを抱えるこどもかどうかを受けとめて、早めに対処することがその後のお子さんの将来を大きく左右します。
発達障がいの二次障がいに対する対処法や予防についてよく叫ばれています。
なぜなら、発達障がいを治したり予防したりすることはできませんが、二次障害はできるだけ予防が可能だからです。
そこでこの記事では発達障がいの二次障がいの特徴と対処法、予防について一緒に考えていきましょう。
こどもの主な発達障がい
生まれてから、発達障がいのあるこどもは日常生活でさまざまな困難と出会います。
発達障がいではないこどもでも、成長する過程で生きるのに困難さを抱えるこどもは少なくありません。
コミュニケーション能力や感情のコントロールをはじめ、生きてゆくのに必要なソーシャルスキルが十分に身についていないこどもたちにとって、発達障がいをもっていると生きづらさを感じながら生活することになります。
主な発達障がいには、次の種類が知られています。
①自閉症スペクトラム症(ASD)
こだわりが強い、対人関係などで社会性が身につきづらい
②ADHD(注意欠陥・多動性障がい)
多動性(じっとしていられない)、衝動性(突発的に行動してしまう)、不注意(集中できない)といった特性から、日々の行動に支障をきたす
③学習障がい(LD)
読み書きや計算、推論といった基礎的な学習が困難
④知的障がい(ID)
全体的に知的発達や適応行動(周囲の状況に合わせて行動する)に遅れがある
このほか、言語障がいや社会的なコミュニケーション障がいのあるコミュニケーション障がい(CD)や、運動が極端に苦手だったり、チック(突発的な動きや音声)が見られる運動障がい(MD)も発達障がいに含まれます。
このように、発達障がいにはいくつかの種類がありますが、病気ではなくあくまでそのこどもの特性と捉えるべきものです。
こどもの発達障がいがわかったら、速やかに必要な教育や発達支援を受けさせたり、必要に応じて専門医を受診して治療をスタートしたりすることが大切といえます。
発達障がいの二次障がいはなぜ起こるのか
発達障がいを一次障害とすると、なぜ二次障がいが引き起こされるのでしょうか。
発達障がいのないこどもは、家庭での虐待を受ける、十分な養育を受けられない、成功体験の少なさから自己肯定感が低く育ってしまう、といった場合でも、ある程度自分でコントロールできたり、不登校や学習困難、いじめや問題行動、対人関係が難しいといった二次的な問題にとどまるケースが少なくありません。
一方で、発達障がいをもつこどもの場合は、このような二次的な問題はもちろんのこと、適応障がいやパーソナリティー障がいをはじめさまざまな精神疾患を発症することがあります。
これが発達障がいの二次障がいです。
二次障がいは家庭や学校だけでは対処が難しいため、警察や児童相談所、医療機関などの専門機関への相談やアプローチが必要になります。
もともとASDやADHD、LDなどの発達障がいの症状がベースにある場合、学習困難や生活指導が必要な問題、友人や教師との対人関係の問題などは、精神科や小児神経科などの専門的な診察が必要とされています。
虐待や不適切な養育、親の精神的な問題や貧困といった家庭環境に根ざした問題は、学校での対応が困難だからです。
発達障がいの症状がきっかけとなって、日常生活で大きなストレスやトラウマが積み重なると、二次障がいのリスクが上昇します。
親や先生から必要以上に叱られる、同級生と仲良くできない、いじめや勉強が遅れで自信を喪失する、といった原因でますます身体面や精神面での症状や問題行動を繰り返すようになるのです。
二次障がいの種類
発達障がいの二次障がいには、具体的に次のような症状が現れます。
・身体的な不調
頭痛や不眠、食欲不振など
・精神的な不調
うつ病や不安障がい、適応障がい、強迫性障がいをはじめ、依存症や心身症、引きこもりなど
・行動面への影響
暴言、暴力、犯罪や交通事故など
二次障がいへの対処法
二次障がいが現れたとき、できるだけ早く次のようなケアをしましょう。
・専門医に相談する
発達障がいを治療している小児精神科や小児神経科、発達外来などに相談しましょう。
発達障がいの診断を受けているお子さんなら、主治医に日常生活での二次障がいの相談をすれば、適切なアドバイスや医学的な指導・治療を提案してくれます。
もし、定期的に専門医にかかっていない場合は、自治体の相談窓口や保健所などで発達障がいの診察が受けられる精神科や心療内科を紹介してもらうこともできます。
・こども療育センターや発達障害者支援センターに相談する
発達障がいを抱えて生活している人に対する自治体の拠点であるこども療育センターや発達障害者支援センターに相談してみましょう。
医療機関や福祉関係、教育期間などと連携して、発達障がいの特性を持つこどもやその家族が地域で安心して暮らせる支援やアドバイスが受けられます。
・学校に相談する
小学校や中学校に通っている場合は、担任の先生や教育指導の先生に相談しましょう。
学校によっては、発達障がいや二次障がいに合わせた配慮をしてもらえる場合があります。
学習面では、UDL(学習のユニバーサルデザイン)を通じて学習困難に対応するのをはじめ、補習や個別学習指導など、こどもの状況にあった学習支援をおこなってくれることも少なくありません。
また、対人関係では学級作りやストレスマネジメントのほか、ソーシャルスキルトレーニング(SST)やスクールカウンセリング、いじめや人間関係に個別に指導に入る対応も期待できます。
さらに、生徒指導では、保護者と連携しながら個別指導の対応をする学校もあります。
二次障がいの予防ポイント
発達障がいの二次障がいの大きな特徴は、日常生活のさまざまなシーンで心理的なストレスを受けて人間関係や生活面で生きづらさを感じていることです。
発達障がいの特性のため常に叱られている、いじめを受けているといった状況が続くと、ネガティブな感情がこじれて深刻な二次障がいから抜け出せなくなるのです。
そのため、発達障がいだとわかったら、できるだけ早くこどもに適切なケアで介入して問題を大きくしないことが大切です。
①自信をつけさせる
親御さんや先生はもちろんのこと周囲の大人が発達障がいの特性を知って、こどもの生きづらさを理解することから始めましょう。
そして、こどもの特性に合わせた環境づくりも必要です。
本人の得意なことや好きなことを伸ばして、自信を身につけさせることも大切となります。
学習で遅れがあれば、学校や家庭で学習支援をする、本人に合った趣味や遊びを探して、達成感を積み重ねる体験を与える、といったことがポイントです。
②規則正しい生活習慣
発達障がいを抱えるこどものなかには、朝起きられない、夜寝られないといった睡眠障害から生活リズムが乱れるケースが少なくありません。
自分が気になることに極端に集中してしまうASD(自閉症スペクトラム症)や、計画的に物事をこなせないADHD(注意欠陥・多動性障がい)の特性のため、昼夜が逆転してまで何かを作業し続けることも多いからです。
発達障がいに限らず、精神疾患を持つ人は不規則な生活リズムになっている場合が多いため、まず適切な睡眠を取る必要があります。
早寝早起きを基本に、生活リズムを整えて心身の健康を改善していくためのサポートが必要です。
③無理をしない
心が傷ついてしまって、大きなストレスやトラウマを抱えているこどもは、自分で上手にメンタルコントロールが難しくなっています。
また、過度に集中する、物事を順序よくこなせない、といった発達障がいの特性のため、周囲が思っているよりもストレスを溜めて疲れているこどももいます。
したがって、積極的に休ませる、無理をしてまで学校に行かせない、趣味や遊び、外出などでリフレッシュをさせる、といった心がけがポイントとなります。
まとめ:発達障がいのこどもの二次障害とは?そのポイントと対処法、予防について知ろう
こどもは生きづらさを抱えながら成長しています。
発達障がいを抱えるこどもであれば、なおさら生きる上でさまざまな困難に直面して大きなストレスを感じているものです。
発達障がい自体は予防できませんが、二次障がいは予防が可能です。
発達障がいの早期発見・早期対処に努めるとともに、二次障がいになりやすいことを知ってこどもと関わりましょう。
もし二次障がいになった場合は、家庭や学校だけでは対処が難しいケースが多いため、専門医や相談窓口に適切な指導を受けることが大切です。
日頃から生活リズムを整える、専門医の治療を受ける、無理をさせずストレスコントロールをする、といった予防を心がけて、発達障がいの二次障がいをこじらせない意識が大切です。
発達障がいを抱えるこどもの生きづらさを和らげるため、ソーシャルスキルトレーニングによる対人関係や学習支援を続ける放課後等デイサービスや児童発達支援事業所の利用もおすすめです。
吹田のNew Step大阪では、コミュニケーション能力を高めるアプローチや学習サポート、脳の発達をうながす運動療育などを積極的に取り入れています。
ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
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